TGSに思う茫漠たる不安
07-09-21
22:16
ASCII.jpでもさまざまな記事でお伝えしている東京ゲームショウ2007。初日にはマイクロソフトから発売される新作ゲームのスタッフインタビューを行ないました。その模様は記事としてお伝えする予定です。
私は「Halo3」と「Assassin's Creed」の2タイトルのインタビューに同席しました(写真はHalo3の時のもの)。いずれもXbox 360の新作として期待されているタイトルです(Assassin's~はPS3やWindowsでも出る予定)。
両タイトルとも「さすがは次世代機の最新ゲーム」とうならされる出来映え。特にグラフィックの美しさは、それぞれ目指す方向は異なるものの、いずれも素晴らしいものです。これくらい品質の向上があると、次世代ならではのタイトルだなと実感します。
グラフィックの美しさ以上に印象に残ったのが、特にHalo3のネットワーク機能の先進性でした。詳しくはインタビュー記事に譲りますが、4人でのマルチプレイでも破綻なく作られたストーリーモード、リプレイデータの記録と配信機能、「Forge」と呼ばれるマップエディットと配信機能などは、単なる対戦・協力プレイの枠を超えた、ネットワークを活用した新しいゲームの面白さを生み出していると言っても過言ではありません。
リプレイデータの記録や配信は過去のPCゲームでもありました。Forgeのマップエディットと配信も、欧米のPCゲームではごく当たり前な「MOD文化」を家庭用ゲーム機の世界に取り込んだものと言えます。編集モードとゲームを分けることなく、ゲーム中に随時編集できる点などは、Second Lifeのソフト内オブジェクト編集に通じる印象も受けます。
これらの要素は確実に、“ゲームでのネットワーク機能=対戦とマッチング”という時代を過去のものにするでしょう(MMORPGは除外します)。ベースはスタンドアロンのゲームであっても、ネットワークをより積極的に活用して面白さをふくらませるのが当たり前、そういう時代の先端を行く、あるいは新しい標準を作るのがHalo3なのでしょう。もうマルチプレイヤーネット対戦程度では時代遅れなのです。
残念ながら私は、Halo3が日本で商業的成功を収めるとは考えていません。個人的にもFPSは苦手なので(すぐ酔う)、自分で買うことはないでしょう。しかしHalo3がゲームの世界に名を残す先進性と面白さを備えたゲームであろうことは分かります。Assassin's Creedもまず間違いなく名作、少なくとも良作と呼ばれるゲームでしょう。かつて洋ゲーの代名詞であった(そして今でも多くのゲームがそうである)「大味さ」「おおざっぱさ」「不条理な難易度」とは、この2作はまったく無縁です。
しかし、振り返って会場に並んでいる多数の国産ゲームを見渡したとき、特にPS3やXbox 360という最先端のプラットフォーム向けのゲームで、これらに匹敵するゲームが果たしてどれくらいあったかというと、心が冷えていくような思いを禁じ得ません。遊んでみればそれなりに面白いゲームは多いでしょう。ですが、「これからのゲームはこうなっていくんだ!」という期待、あるいは「今年を代表するゲームはこれだな」と感じさせるものがどれほどあるでしょうか?
確かに日本のゲームは、斬新さという面で先端を走ってきたものではありませんでした。斬新ではあるが大味な米国のゲームのエッセンスを取り込み、洗練された遊びやすい形で再構築してみせる、それが日本のゲームの良いところでありました。しかし、米国の最先端のゲームから大味さが消えていけば、日本の利点を発揮する余地がありません。こうした懸念はすでに数年前から指摘されていましたが、プラットフォームの更新のタイミングで、それが顕著に表われてきたようです。
日本のゲームを30年以上楽しみ続けている者としては、今回のゲームショウで残ったのは日本のゲームに対する茫漠たる不安、それが一層強まったという思いでした。日本のゲームはかつてのような輝きを取り戻すことができるのでしょうか? それとも“かつて偉大だったものの残光”となってしまうのでしょうか? 来年のゲームショウでは、その不安を払拭できるような流れが見えることを期待して止みません。
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