2010年05月
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 今週のGoogle I/O(5月19、20日)から、来月早々のComputex台北(6月1~5日)、アップルWWDC(6月7~11日)、E3(6月15~17日)の約1カ月で、“パソコンの歴史が終わる月間”かなと半分冗談で言ったりしていた。いままで慣れ親しんできたデスクトップパソコンや二枚貝のような形をしたノートPCというものが、えらい古い感じのものになる。

 かわって、iPadに象徴されるタッチ式のタブレットや3Dメガネの世界やジェスチャーとかが、コンピューティングの主流になるというのが示されている雰囲気がある。

 グーグルI/Oでは、ソニーのアドロイドを搭載したテレビの発表があるいう下馬評があった(私の机のヨコのホワイトボードには、Google I/O 5/19~ Androidテレビと書いて貼ってあった)。ところが、どうもこれがイメージしていたものとは少し違っていた。

 5月20日発表されたグーグルTVの内容については、ニュースを見てもらうのがいいと思う。しかし、これって、グーグルのナード的楽観主義が、いくらなんでも行き過ぎた結果ではないかと思うのだがどうだろう。

 グーグルがやろうとしていることは、テレビをAndroid端末にして、その上でテレビもネット動画も見ればいいじゃないの? ということだ。実際、私のような人間にはグーグルTVは便利そうである。なぜ使いもしない前から、そんなことが言えるかというと、私が、「SPIDER」のユーザーだからだ。

 SPIDERは、PTP(http://www.ptp.co.jp/)が発売している8チャンネル1週間録画できる地上派テレビのレコーダーである。私の場合は、衛星チューナーを2個買ってきてNHK第一、第二も入れている。ハードウェアとしては立派なパソコンなのだがネット動画が見れるわけではない。しかし、とにかくいつでも大量のテレビ番組がストックされている状態になっている。

 ソニーもVAIO type Xなどで、1週間「まる録」できるシステムを提供していた。しかし、SPIDERが評価されているのは、その使い勝手なのだ。検索語はあらかじめ設定しておかなければならず、その場でEPGから探せないなど、「え?」と思う部分があるが、これが使ってみるとたしかにいらない。

 それよりも、この大量の録画番組を扱うためのユーザーインターフェイスがよくこなれているのだ。全チャンネル1週間まる録において大切なのは、チューナーの数、ハードディスクの容量、直感的な操作のしやすさがそろってはじめて実現するのである。

 実は、SPIDERを使っているとレコーダーを使っているというよりも、番組ポータルを使っているような気分になるのだった。

 だからグーグルが、テレビ番組でもネット上の動画でも自由にあつかえるテレビを作ろうというのは、十分に理解できる。米国の場合は、地上波の字幕が義務づけられているらしいから(一説には戦争を続けている米国の成人男子の10人に一人は耳が悪いのだとか)、将来的にもいろいろな可能性がある。

 すでにAndroidのほうがiPhoneより売れているという説があるとおり、デジタルの世界においてはオープンの力は凄いものがある。しかし、グーグルTVを完全にオープンなものにして、誰でも自由にビジネスできる場にするというのは、ちょっとグーグルさんやり過ぎではありませんかと思うのだ。

 グーグルは、最強の検索エンジンである。世界に数十から百数十億もあるウェブページを圧縮して、すべて自社のサーバーの中にため込んでいる。それはとても効率よくデータを引き出すことができる索引になっていて、ノロマでいつ切れているか分からないオリジナルのインターネットよりも便利に使える。

 その基本原理は、「ページランク」といわれる仕組みで成り立っている。あまりにも有名な「あるウェブページは、そのページのリンク情報が多いほど価値が高い」というものだ。グーグルである検索をかけると、このページランク順をもとにして表示結果がきまるという。しかし、このアルゴリズムを一気に無効化するような仕組みが、先日、アナウンスされたばかりだ。世界中に5億人のユーザーを有するFacebookが始めた「Like」ボタンである。

 5億人というのは、たぶん世界中のネット人口の4分の1くらいである。米国では、全人口の2人に1人が、Facebookを使っていて、しかも実名性が高く、会員の半数が毎日アクセスするという怪物サイトである。すでに米国のトラフィックにおいて、グーグルとFacebookは、ほぼ同じ程度(7%程度)といわれている。Google Fightでも2社はかなり接近している。

googlefight4.PNG
▼カーン! 試合開始。

googlefight3.PNG
▼この膝蹴りがLikeボタン?

googlefight5.PNG
▼しかし、さすがにしぶとい。

googlefight2.PNG
▼勝利を手にしたのは、
googlefight1.PNG
▼グーグルなのでありますが。
http://www.googlefight.com/index.php?lang=en_GB&word1=facebook&word2=google#

 そのFacebookの「Like」ボタンでは、グーグルが「ページランク」の計算に必要とするリンク情報が生成されないらしいのだ。このサービスが、5月のリリースから1週間で5万サイトが対応するなど急速に浸透しつつある。つまり、グーグルは、すでに強者ではないのではないかと思うのだ。強者であるうちは、システムをオープンにすればするだけ、最終的には自社にお金が落ちるというような仕組みになるだろう。しかし、仮に強者でないのだとすると、グーグルTVの「オープンぶり」は、ちょっとあぶなっかしい。

 私の個人的な予想では、グーグル+ソニー+インテル連合によるアンドロイドTVは、いくらなんでもここまでオープンなものではかった。アップルほど、クローズかつワガママでないとしても、自社に有利なストーリーが組まれているものと思っていた。それが、いくらなんでもこれは他社もなんでもできちゃう。

 世の中はウェブ2.0の時代を終わりをつげて、ソーシャルの時代になりつつあるのである。グーグルには我々凡人には想像もしえない深い読みでもあるのだろうか? なりゆきでそうなることもありうるのが、この会社ではあるのだが……。「グーグルTV」のつもりでブチ上げたものが、「フェイスブックTV」になってしまいかねないのではないか? 

http://twitter.com/hortense667/

 3.5インチ型フロッピーを製品化したソニーが、23日、来年3月末でその国内販売を終了すると発表した。ニュースを読まれた人も多いと思うが、2010年4月24日の『朝日新聞』の経済面には、「さよならフロッピー」と題された記事が掲載されている。電子書籍やその端末についての議論がかまびすしいこの時期に、ソニーがこの発表をしたのを見て気が付いたことかある。

 フロッピーディスクは、電子書籍のための媒体ではないが、コンピュータという狭い業界の中においては、世の中全般における「本」に匹敵する存在感を持っていた時期もあった。その自由度や合理性、中学生でも使える大衆性、ポケットにも入る機動力、そして互換性が半端ではない。

 エレクトロニクスの歴史を眺めてみると、これに近い属性の記録媒体は、ラジカセにおけるコンパクトカセットテープくらいではなかろうか?

ラジカセ:コンパクトカセット
パソコン:フロッピーディスク

 フロッピーディスクには、8インチ、5.25インチ、3.5インチなどがあり、5.25インチは「ミニフロッピー」、3.5インチは「マイクロフロッピー」などとも呼ばれた。8インチ型のフロッピーは大型コンピュータの時代からあったもので、紙のパンチカードに代わるものとして使われはじめた(IBMのホレリス式カードはドル紙幣のサイズに合わせて作られたもので穿孔された穴の有無で80バイトのデータを記録できる)。

 最も普及したフロッピーは3.5インチで、その直径は文字通り3.5インチ。マクドナルドのハンバーガーのバンズとちょっきり同じサイズだったのも偶然ではないだろう。手で持って扱うのに適切な大きさということだ。

 朝日新聞記事によると、ソニーの出荷ピークは、2000年で4700万枚を世に送り出したそうだ。世界中でフロッピーの中に込めれらた人間の所業のことを思うと、クラッと気が遠くなる思いがする。それが販売終了というのだから、まさに時代は変わったということだ。

 新聞では生産終了となる理由として、「USBメモリや大容量の記憶媒体の普及で需要が減ったため」とあるが、フロッピーに取って代わったのは、むしろ、フロッピーより歴史の古い「電子メール」だったと思う。フロッピーの使い方を考えるとき、人から人へ手渡しする、「データを人に受け渡す」という意味が少なからずあったからだ。

 そして、ネットになったことで、データを手で持つという“実在感”がなくなった。

 ところが、人類の歴史を振り返ると、「手」が思考というものと凄く近い関係にあった。思考といちばん近い体の部位は、脳みそや眼球だろうが、手が果たした役割はより人間的ともいえる。手の指を折って考えるから始まって、手で文字を書くことで、ものごとの答えを導きだしたり、自分の感情を表現してきたからだ。その意味において、情報の入ったフロッピーを「手」で持って渡したりしたというのは大きい。

 3.5インチで思い出したのは、日本マクドナルドの故藤田田会長が、「ハンバーガーは手に持って食べるものだから日本でもヒットする」と感じたとどこかで述べていたことだ。ひょっとしたら、iPhoneやAndroidやiPadは、「手でデータを扱いたい」という欲求を少しだけ満足させる端末なのかもしれない。

 ということで、

「iPadって売れると思いますか?」

という質問をもらったら、私は、「お金のある人でこれを知ったら絶対にiPadを買う」、「お金のない人は買わないし、彼らはネットブックを買ったほうがハッピーだと思うが、欲しがる端末になる」と答える。というのも、写真を入れていじっていたのだが、スライドショウがあまりに低機能で閉口した。ところが、1枚1枚の写真を拡大したり動かしたり、これって本能的にやれるようになりそうなのだ。目の凝視とか、近づけたりとか、それを手でやれるのは新しいのではないか? 動画やライブ映像も拡縮移動できるといい。手が目の一部になる。

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by @hortense667


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