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iPhoneの“なでなでI/F”はマウス以来の進化

Blogmag , 近代プログラマの夕4

Posted at 2008/07/17 20:21:39 by hortense

 UEIの四畳半社長に声をかけてもらって、UstreamでiPhoneの話をする。1983年頃、私は、某社の半導体設計システム用の高速データベースの開発というのをやっていた。ターゲットマシンはVAX-11/780で、FORTRANでは満足できず(VAX-11はFORTRANマシン)、BLISSというシステム記述言語で書いていた。半導体の設計システム自体は、1台のグラフィック端末の前に、回路設計者と端末のオペレータの女性の2人がかりで使っていた。男性が「こここんなふうに」とか言うと、オペレータの女性が、タブレットの上でスタイラスペンを走らせる。複雑なジェスチャーがいろいろあって、なんとも効率的に回路の図面を直していくのだった。当時のポインティングデバイスといえば、トラックボールやジョイスティックだったが(さすがに、ライトペンは見なくなっていた)、どれも操作はもどかしく、タブレットの威力は絶大だったと思った。ところが、ある日、関係者の間に「マウスというものがあるらしい」という話が飛び込んでくる。


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 あとで考えると、ダグラス・エンゲルバートが最初のマウスを発明したのは1961年だそうだから、1983年にマウスの話をしているというのは、なんとも間抜けな話……に聞こえるかもしれない。しかし、プロシューマの世界というのは案外そんなものだったのだ。もっとも、私のいた会社ではゼロックスのJStarとVAX-11を繋いでドキュメント管理するなんてこともやっていたから、すぐにこんなもんだよねーというのはあったのだが。しかも、1983年といえばアップルからLisaも出た年で、ワークステーションブームというのがやってくるから、世間的にもあっという間にマウスは知れ渡った。


 なんといっても、印象的なのは、その名前の「マウス」。たしかに、ケーブルも生えていて「ねずみ」みたいだが、なぜ「ラット」ではないのか? 辞書を引いてみたら「マウス」は、実験に使われちゃうようなおとなしい奴で、ラットはチョロチョロして扱いにくいと書いてあり納得。それから、マウスが凄いのは、トラックボールをひっくり返してしまったこと(実際にエンゲルバートがどうやって発明したか知らないけど)。要するにソロバンをひっくり返して、小学生が自動車のオモチャみたいな感じで遊ぶ感覚というか、発想の逆転がある。しかも、それでいて操作性はバッチリだ。


 iPhoneの“なでなでインターフェイス”。まだ、買ったばかりの日本人は腰が引けたよそ行きな使い方をしている人がいると思うけど、あれが無意識に使えるようになると凄いと思う。マウス以来のコンピュータのインターフェイスの進化になる可能性がある。センサーやインターフェイスの固まりだからiPhoneは注目なのだ。つまり、「iPhoneにはこの機能がない」とか、「iPhoneは使ってみるとここがこう」とか、逆に「iPhoneのこのソフトは凄い」とか、そんなレイヤーとは、ちょっと違うところで私は見ている。なんていっていたら、UEIpongが、リリースされたそう(http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore. woa/wa/viewSoftware?id=285060947&mt=8)。こういうことを考えさせるところが、iPhoneの最大の魅力ではないのか?


※写真のマウスは、ちょっとまがまがしいけど使いやすいフランスもんのマウス。インターフェイスの話というのは本当に一筋縄ではない。


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