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まず、本の話。
『新たしい教科書9・コンピュータ』(プチグラ・パブリッシング刊 http://shop.petit.org/?pid=2219674)。山形浩生氏が監修、仲俣暁生氏が編集ということで、わたしもちょっとかませてもらった。山形浩生氏といえば、アスキーでは『新教養としてのコンピュータ コンピュータのきもち』(http://www.amazon. co.jp/gp/product/4756141587)がある。
『コンピュータの気持ち』は、『アスキー・ドットPC』の連載をまとめたものだが、『月刊アスキー』に書いた書評があったので引っ張り出してみた。ちょっと読みにくいヘンな書評なのだが、『コンピュータの気持ち』って、私的には、こんな本だなのである。
以下、抜粋。
世の中には、学校でも会社でも駅前のパソコンスクールでも、親友さえも教えてくれないことがあって、一般に、それは「ずっとやっていると分かってくるようなこと」だったり、あるいは「ひとつずつ体験していくと分かるようなこと」だったりする。
園芸なら、鉢植えか何かで興味を持ち、種を買ってきて花を植えるようになり、やがては花壇や生垣や庭園や立派な芝生を作り上げようとするようになる。
ところが、いまのコンピュータは、いかにも大袈裟になりすぎてしまった。いまから8ビットのマイコントレーニングキットから入るという人はいない。いますぐにゴシゴシ使いたいという人には、あまりにも遠い道のりになってしまう。
だから、誰もちゃんと「ようなこと」のあたりを教えてくれないのである。
パソコン入門書が、画面を1枚1枚、マウスの動作を1つ1つ説明するような形になったのは、それは、それで成功しているのだから結構なのことだと思うのだが。それは、おおいなる進歩ともいえるし、おおいなる退化ともいえるのではないか。
そこで、本書は「コンピュータの気持ち」というものを導入する。
コンピュータの仕組み--というよりもクセのようなものや歴史や業界やユーザーの好き嫌いとか、それを取り巻くもろもろの事柄が、どんどん語られていく。そんな、本来機械そのものには無関係なはずの諸事情が凝縮されて「コンピュータの気持ち」というものが出来上がっていることが分かる。
著者の山形浩生氏は、ふだんコンピュータの入門なんて書かない。
そのスピード感と教養と歯ごたえと口語体を堪能できる、贅沢な入門書ともいえる。
※『月刊アスキー』2002年10月号掲載
さて、『新しい教科書9・コンピュータ』のほうは、なにしろ“教科書”というくらいだから、いまコンピュータにつて知っておくべき事柄を、1つ1つ丁寧に教えるというものだ。もちろん、「いまならこう語るだろう」という“新しさ”が売りではあって、『コンピュータのきもち』と併せて読むことをお勧めします。
さて、「チューリングマシン」についてどう書くのという話になった。チューリングというのは、いまコンピュータというものを単なるソロバンのような計算道具の世界から、計算機科学という領域まで高めた人。“いままでのどんな教科書にもなかった画期的に分かりやすくて感動するチューリングマシンの説明”というものがあるだろうと考えてたのだが、いざどう表現するとなるとちょっと難しい。
チューリングマシンというのは、コンピュータの原理を知ることにもなるし、チューリングマシンが万能チューリングマシンに転換するあたりが、この種のお話の最大級の面白さの部分なのだが。要するに、ちゃんと説明しようとすると大変にややこしい。サラっと表面だけやろうとするとせっかくの本質に触れるチャンスなのにそれを捨てることになる。どうなったのかは、『新しい教科書9・コンピュータ』でご覧アレ。
さて、雑誌のほうは『月刊ascii』だ。
シコシコとコンセプトワークを始めたのは、ちょうど1年前のいま頃からだった。“ビジネスとITのギャップを埋める”というキャッチフレーズに決めたのは、さらに半年後のことになるだが、パソコン総合誌の『月刊アスキー』が、ITビジネス誌の『月刊ascii』として生まれ変わった。いままで日本にはなかったタイプの雑誌という大変にラクでないところを狙っているわけなので、読者や広告主や業界にいじられて価値の出てくる雑誌のはずなのでみなさまよろしく。
※トップ写真は、原稿の中身と関係ないんだけど今年9月ベルリンでもらってきた地下鉄工事(Uバーン2号線)のビラ。なんと実物大のプレイモビルが地下鉄内に立ってることもあった(下)。
東京カレーニュース
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