Chizzy Dilley のセカンドライフレポート

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Jin-Sei、スプリューム、ココア、仮想空間の代表者たちが語る、メタバースのブレイクポイントとは?

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10月11~14日、東京秋葉原UDXで開催された「ASIAGRAPH2007 in Tokyo」の中で、13日のトークセッションプログラム「メタバース 3Dヴァーチャルコミュニティー」での様子を取り上げる。

国内では「meet-me」、「スプリューム」、そして「Jin-Sei」と独自の3Dバーチャルスペースサービスも活発に動き出している。Jin-Seiは、ngi groupの子会社、3Diが、世界最大の仮想空間カンフェランス「VirtualWorldsカンフェランス&エクスポ(米、サンノゼ)」で発表したばかりのオープンソースベースの独自3Dプラットフォーム。「Mixi(ミクシィ)」がいち早く採用を決め、今後どのような展開を見せるか注目が集まっている。

トークセッションでは、この3つのサービスを手がける会社の代表者たちが、デジタルハリウッド大学大学院教授、三淵 啓自氏のモデレータのもとに仮想空間の展開について語った。

メタバースはブレイクするのか?

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メタバースのブレイクするポイントについて、それぞれの見解はどのようなものなのか。コメントをひろった。

梶塚 千春 氏(株式会社スプリューム 代表取締役)

「今は、まだ誰も(どのサービスも)“ブレイク“していない。本当の意味で浸透するにはさらに敷居が低くなる必要がある。テレビやテレビゲームなどかつては特別だったものが今は生活の一部としてあたりまえのものとして存在している。同じように(メタバースの空間が)生活に入ってくるかこないか、その壁を越えない限りは技術がどうのこうのといっても仕方がないと思っている」

小川 剛氏(3Di株式会社 代表取締役社長)
「さまざまな3次元の体験が広がり、空間への考え方、何ができるかが見えてくることが必要。それにはセカンドライフといったひとつのサービスだけではなく、さまざまなプラットフォームがデータベースと連動していくような“標準化“が鍵となるのではないか。顔の表情や指の関節の動きなどさらに細かい描写部分を実現するツールの開発といったものも必要とされている」

森山 雅勝氏(株式会社ココア 代表取締役社長)
「モーションキャプチャとの連動であったり、コンサートなどのエンターティメント性の高い空間体験だったりがもっと活発化していくといい。けれど実際には、開発費が莫大にかかるため、現実化するにはハードルが高いものがたくさんある。騒がれてはいても、メタバースは企業レベルではまだまだマイノリティなものだ。メタバースでわざわざなんでやらなくちゃいけないのか?となれば進まない。そこに投資をしてくれる企業が単なる一時的な流行としてではなく、“3D空間への可能性を感じて”くれて、どれだけ本気になってくれるかは大きいと思う」



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左から)株式会社スプリューム 代表取締役 梶塚 千春氏、3Di株式会社 代表取締役社長 小川 剛氏、デジタルハリウッド大学大学院 デジタルコンテンツ研究科 教授、三淵 啓自氏、株式会社ココア 代表取締役社長 森山 雅勝氏。

将来、体を動かさない恐ろしい世界になってしまわないか?

来場していたCGデザイナーからの問いかけは、バーチャル世界を遠巻きに見る人たちの代表意見、あるいはすでにメタバースの可能性を追っている人たちでさえも抱く懸念事項かも知れない。アナログの絵が好きという彼は「このままいくと、地球人は体を動かさないコンピュータだけと対面するような無機質な世界の未来像を描き、ちょっと怖い気がしている」と投げかけた。

梶塚氏は、自身がコンピュータグラフィックスのクリエーター時代の経験から
「昔、巨大なコンピュータを前にして描く、クリエートすることに苦しくなり、そこでそういったものから離れようと油絵に向かっていた時代がある。そこから戻ってきて、技術ありきではないということ。そこには愛情や怒りといった感情が存在する。技術の前には人がいる。実態のあるものに割り当てられて技術は変化していくものだと学んだ」とコメント。

三淵教授は、「まったくの否定はできないが、それだけの方向に行くのではなく多様化してくると思っている。今、セカンドライフの中でも “リアルがわかっていないとリアルに近いものができない”という中で体感として感じられるものが表現されている。自然の中の細やかさを感じることなど、感性がないとバーチャルのよさをわからない。楽観的かも知れないが人間はそんなにばかじゃないと思っていて、人類がそうなってしまうとは考えにくい」と見解を語った。

*ASIAGRAPHとは、アジア地域で活躍するCG分野の研究者とクリエイターが集まり、学術発表や作品展示を通してアジア独自のメディア芸術文化について情報発信と交流を行なう国際的CGイベント。学術性と芸術性を兼ね備えたイベント

インワールドリポーター Chizzy Dilley from AKIBA(RL)

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プロフィール

Chizzy Dilley

Chizzy Dilley
日本初の“インワールド・リポーター”として、バーチャルインフラの発展性、可能性を調査/取材する。セカンドライフ内での日常生活や、時事ネタからビジネス参入や経済活動の様子、実社会との関係性までを幅広く追う。所属はVirtual World Broadcasting(VWBC)。SL Style Magazine特派員。

 

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