コデラノブログ 3

MIAU的08年の総括

我々MIAUが発足したのは、07年10月のことである。なんとまだ1年とちょっとした経っていないにもかかわらず、やることなすこと常に賛否両論、話題を提供し続けてきたという点では、希有な存在となったように思う。とにかく今年は、「インターネット」を巡って様々な思惑が錯綜し、それに翻弄されてきた1年だった。今回は08年にMIAUが取り組んで来た事例をピックアップして、今後の展望を考えてみたい。

昨年1月に行なったのが、「ダビング10について考える」シンポジウムである。ダビング10は今年の7月にスタートしたが、そのルールに落ち着いた経緯、そして運用が開始されたらどういうことが起きるのか、といった点を総括した。さらにパネルディスカッションではB-CAS運用の問題点を指摘、のちに熱く語られることになる廃止論の火蓋を切った。

B-CASに関しては、現在も総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」で検討が続いている。昨年12月には技術検討ワーキンググループ(WG)から、B-CASカードの見直し案4案が報告されたが、これを受けてネット世論は「B-CASはまだやるつもりなのか」といった風潮になっているようだ。

しかしこれは9月の審議会で、技術と契約の観点から考えられ得る具体的な対応をあげるべし、ということのアンサーで、B-CAS廃止論が後退しているわけではないように思う。残念ながら我々はこの審議会に直接タッチすることはできないが、主婦連の河村氏をバックアップしながら、廃止論を進めていきたいと考えている。

4月にはいわゆる「青少年ネット規制法案」に対して反対の共同声明を発表し、5月にシンポジウムを開催した。当時入手した法案では、通信事業者やPCメーカー、個人に大きな責任を持たせており、 ネットにおける表現の自由を破壊しかねない内容であったことから、新聞・テレビなど大手メディアまでもが反対の立場を取った。残念ながら6月に法案は成立してしまったが、その多くは努力義務に落とすことができた。

そして9月には、我々がオリジナルで作成したインターネットリテラシー読本、「“ネット”と上手く付き合うために」を公開した。これは青少年ネット規制法案に反対する課程で生まれてきた、「規制よりも先に教育があるべき」という理念を我々自身で具現化するものである。まだ全体構想からすれば2割程度しかできていないが、その後11月には総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の下位WGで、活動経緯や調査・研究成果を発表する機会を得るなど、大きな意味があった。

この読本に関しては、今後も引き続きセクション3、4と制作を予定している。またこれをベースにテスト授業などを行なうことで、多くのノウハウと、学校の現実を学ぶことができた。さらにリテラシー教育に力を入れているネット企業との協業も、今後は検討していく計画がある。双方のリソースが足りない部分を補完しながら、よりよいネットのために貢献できればと思っている。

民間の取り組みということでは今年4月から、インターネット利用環境整備のための民間団体、「安心ネットづくり」促進協議会が活動を開始する。我々MIAUもこの協議会に参加し、活動していくことになる予定だ。

ネットがどうなればいいか、というのは、いろいろな思惑が錯綜するところだ。我々の考えは、8月に行なった「Google ストリートビュー"問題"を考える」シンポジウムでメンバーの八田真行が発言しているように、インターネットでは様々なトライアルが許されるべき場所だと思っている。誤解されては困るのだが、それは無法であるべきということを求めているわけではない。

我々の行動原理は、非常に単純だ。それは米100ドル札の図柄にもなっている、ベンジャミン・フランクリンの言葉に集約されている。

「ほんの少しの安心と引き換えにいちばん大切な自由を手放す人は、自由も安全も享受する資格がない。」

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