2008年06月03日 13時31分
ネット規制法案に与野党が合意
昨日の夜、新聞メディアを中心に報道されたが、実務レベルで与野党の合意があったようである。
基本的に多くの規定は努力義務となり、事実上骨抜きとなった格好で決着しそうだ。個人的には法案じたいを廃案にしたかったところだが、力及ばずという形である。もっともまだ国会があるので、決まったわけではないが。
このうち、PCと携帯のフィルタリングは義務となった。携帯はすでに行なわれていることなので、その是非はともかく、実質的には何も変わらない。
PCのプレインストール義務は、微妙だ。実際に国内メーカーのPCの多くには、すでにフィルタリングソフトの体験版がプレインストールされているが、体験版でOKなのか、というところが曖昧なままである。
つまり多くの体験版は、買ってすぐはちゃんと動くが、30日限定なので、それ以降はデータベースが更新されない。更新されないまま放置されれば、新しく生まれてくるサイトには当然対応できないわけで、結果的にはあまり役に立たない。
またフィルタリングソフトのコストを誰が払うのか、PCの場合はハッキリしていない。体験版ではなく製品版、少なくとも1年ぐらいの契約込みのバージョンを入れろということであれば、その費用はストレートにPCの価格に反映される。事実上PCが全体的に5000円ぐらい値上がりすることになる。
これで問題なのは、成人が使うとわかっている場合にこの費用を販売時に抜けるのか、という点である。携帯の場合は、未成年者が使用する場合は契約によってフィルタリングサービスが付いてくることになるが、消費者は費用は負担していない。PCの場合も同じように無料サービスとしてソフトウェアバンドルとデータベース更新を行なうのであればいいが、更新費を親が毎年払え、というのは、消費者の負担増を国の法律で新たに決めたことになる。
またこの6月にも多くの海外メーカーが低価格ウルトラモバイルノートPCを導入してくるが、これら低価格PCには、フィルタリングソフトのコストを吸収させるのは難しい。5000円違えば、かなり大きな差になる。
またコストを下げるためにLinux OSを選んだ場合、そもそもフィルタリングソフトなどは開発されていないのではないか。これはフィルタリングソフトメーカーに開発努力義務が発生することになるのか。
PCの場合は、プレインストールだから難しい。お子さんが使うんですね、じゃあフィルタリングソフトを追加しましょう、ではない。プレインストールだから、最初から入った状態でなければならないのだ。
たぶん実際にこの法律を動かすと、販売店もメーカーも、なんだかものすごい変化球を強いられそうな気がする。馬鹿馬鹿しい手間だけが増える、プチ官製不況のような状況になるのではないか心配である。
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