コデラノブログ 3

知らないなら黙ってればいいのに

以前のエントリで、「いつまでも従来の新聞のような『責任なき批判』では済まないだろう」と書いた。そして新聞は今も、責任なき批判どころか、問題そのものがわかっていない情報を出し続けている。

本日付の読売新聞の社説に、「ダビング10 メーカーの頑固さ、なぜ?」という記事がある。一応リンクも張っておくが、読売新聞はタイトルで検索すれば1年間は探せるようなので、あとで来た人は読売新聞のサイト検索を使って探して欲しい。

本文を読めばおわかりだと思うが、この記事を書いた人は、この問題をまったくウォッチしておらず、場当たり的に先日の録画録音小委員会に行っただけ、ということがわかる。要約すれば、「お上が決めたルールに従わないバカメーカー」という程度の認識である。問題の経緯を知っていれば、このような結論になるはずがない。

「問題があるなら、どうすればいいか。はっきり主張して制度作りに協力すべきだ。」

この一文だけでも、問題に対する理解度のなさがわかる。補償金の問題が持ち上がってかれこれもう3年以上経過するし、小委員会自体もその制度作りを検討して、2年目に突入する。法制問題小委員会時代から数えれば、3年目に入るわけである。このような無知な批判は、小委員会全体の経緯や努力に対する冒涜である。

「消費者団体の委員も理解を示す中、メーカー側の委員だけは「10回に増えても制限があるなら補償は不要」「補償金の対象が際限なく広がる」などと反対した。」

ここでいう消費者団体の委員とは、主婦連の河村氏のことだろうと思われる。以前MIAUで開催したダビング10シンポジウムにおいて、河村氏自身もダビング10に関して積極的に推進していないことを表明している。

彼女は一般消費者の立場として、「限られた選択肢のなかでどっちがマシか」という話をしているだけで、補償金に関しても前に進むための一時的な暫定措置として仕方がないという現実的な考えを述べている。07年末に文化庁が提案した、補償金廃止へ向けてのプランに対し、補償金廃止と私的利用の自由を交換条件で考えるべきではないという考えを示している。

さてここで津田大介の意見を消費者団体の意見として捉えていないということは、この記事を書いた人は彼がMIAUの代表幹事であり、今は消費者団体の代表と言えるという事実も知らないのであろう。MIAUには法人格がなく消費者団体とは認められないというのであれば、実は主婦連も法人ではなく任意団体である。しかもMIAUは法人化へ向けて動いており、今後はある意味主婦連より消費者団体らしい体裁を整えつつある。

無記名で社説ということは、たぶん社内でエラい人が書いた文章なのだろう。つまりこれが読売新聞の総意であると取るに足る文章であるいうことでもある。こう言っては何だが、朝日新聞でさえ、問題は正しく認識している。読売新聞社内でも、問題を正しく理解している人もあるだろう。その人達の顔に泥を塗った責任は小さくない。

初出では読売と毎日を間違えていた。毎日の人、すまん。

さらに追記
朝日新聞でさえ問題を正しく認識しているというのは、嘘でした。
http://www.asahi.com/national/update/0508/TKY200805080111.html

これ、なにか新聞社間で何らかの合意があったのかもしれない。中で問題をわかってる人、もっとガンガレ!

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