2008年05月09日 11時44分
ダビング10と心中するか補償金
6月2日開始という計画だったダビング10も、どうやらその日開始はない、ということのようだ。昨日また文化庁が私的録音録画小委員会で、iPod補償金の話を持ち出してきた。音楽だけでなく映像の方も、ダビング10対応のレコーダに補償金を課す考えだ。
朝日新聞の赤田氏は、ダビング10を人質に補償金を通すのではと予測しているが、事実このような動きがあるとしたら、それはタチが悪いと言わざるを得ない。権利者側への反感は、また増大するだろう。
それなら消費者側は、ダビング10はいらないから補償金もなし、という選択肢がある。ダビング10などもともと筋が悪い技術だし、そもそもがオリンピックに間に合わせるための暫定合意策にしか過ぎない。そのオリンピックもなんだか素直に楽しめない状況になりそうだし、まあ記録として残す人はムーブでいいんじゃないか。ずっとHDDに残しときたいもんでもないだろう。
それよりも根本的に、もうB-CASそのものが穴になってるじゃんとか、そもそも無料放送にDRMって意味わかんないですけど、っていうちゃぶ台返しをしてしまったほうが、話はずっとすっきりする。
国として一番困るのは、国民がいつまでもアナログ放送に依存して、デジタルに移行しないことだ。私的複製の範囲で自由に番組の保存や複製などができないのであれば、アナログ放送停波をきっかけにテレビ見るのやめる、せいぜいワンセグをだら見する程度の人手を挙げてー、とアンケートを採ったら、いい具合に楽しいことになるかもしれない。
そういえば、NHKの福地茂雄会長が「若者のテレビ離れに危機感」という記事も出ていた。 アサヒビールからNHK会長に抜擢されたということから、経営者としては優秀な人なのだろうが、テレビを見ない人に向かっての宣伝にテレビを使う、というプランの無意味さに、放送局の限界を見る思いだ。
ネットが原因でテレビ離れが進んでいるという分析が出ているのなら、普通はテレビをネットに持ち込むことを考えるだろう。ネットってのは日本固有の閉じたIPv6網のことじゃなくて、wwwのほうね。
だがそれができない日本独自の事情がある。最初ネットに食われることを懸念して、放送のネット乗り入れを自ら否定してしまったため、著作権法的にも放送法的にも、自ら身動きを取れなくしてしまったのである。
こう言っては気の毒だが、放送の素人である73歳のおじいさんから若者をコントロールするプランが出てくるとは、誰も期待していないだろう。むしろ膠着した放送の因習をぶっ壊すために、福地氏は外部から呼ばれたんじゃないのか? と思うのだが。
そういえば思い出したんだけど、以前この委員会でヨーロッパの補償金制度の視察に行ったことがあったはずだ。そのときの報告書って出たんだっけな。あんまり記憶に残っていないところを見ると、出るには出たけどあまり大した内容ではなかったのではないかと思う。
これっておもしろい話があって、視察団のメンバーに消費者の立場で小委員会に参加していた津田氏が入っていなかった。公平性を保つためにも津田氏を入れないのは不透明だし、津田氏は自費でもいいから同行させてくれと申し入れたのだが、「ホテルと飛行機が取れない」というヘタレな理由で同行を断わられた。
たぶん文化庁と補償金推進派の委員達で、ヨーロッパではこんなに補償金制度が普及しているというストーリーを持ち帰りたかったのだろう。しかし実際にはヨーロッパの補償金制度はグダグダで、参考にならなかったらしい。こんなところでも、税金が無駄に使われたことになる。
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