コデラノブログ 3

HD DVD報道について考える

2月16日19時のNHKニュース、トップで取り上げられた東芝のHD DVD撤退報道について、今のうちに言っておこうと思う。

これを見た大半の人は、HD DVD敗北という印象を持っていると思うが、それはそれで正解である。ただこの報道の内容というか、立ち位置まで考察してみるとなかなか腹芸があって、味わい深い。

実はこの原稿、決定事項は何一つ述べていないのである。つまり、「HD DVD事業から撤退することで最終調整に入った」という事実がそこにあるだけだ。平たく言えば、「これから最後の相談に入ります」という観測的事実を述べているに過ぎない。

これに対して東芝側が、「決定した事実は何もない」とコメントを出すのも至極当たり前の話で、こちらも報道の事実をひっくり返すようなことは一言も言っていないのである。

これを腹芸と呼ばずになんと言おう。

おそらくHD DVD事業を展開している東芝デジタルネットワーク社に対して、東芝本社としては外側から圧力をかけたいということで、NHKとある程度の手打ちがあったのではないだろうか。

今後、HD DVD事業の進退に関しては正式に発表があるのかもしれないが、元々戦争しているのだから、負けがあり得ることは十分に見越していたことだろう。マスコミ的にはβ対VHSの規格争いと対比して、前回負けたソニーが今回勝ったというシナリオにしたいようである。

しかし実際はそのあとに、DVDフォーラムとDVD+RWの戦いもあったわけで、この決着は付くどころか、結局両対応ドライブの登場でグダグダのままである。まあ見方を変えれば、セルメディアがない時点で、DVD+RWは勝負にならなかったと見てもいいかもしれないが。

今回の決着で我々が教訓として胸に刻んでおかなければならないのは、日本メーカー内で勃発した規格争いなのに、日本の消費者の選択である売上比率1対9ではなく、結局ハリウッドの映画スタジオの支持率3対7で勝敗が決まったという点だ。それだけワーナーショックは大きかったということでもあり、それに続く米国大手量販店の追従が効いたということである。日本の電子産業が、米国コンテンツ市場に踊らされた形になった。

それだけコンテンツを持つということは、強大な決定権を手に入れるという事でもある。日本のコンテンツ市場はそこまでの決定権を持つに至れるのだろうか。

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