中国リアルIT事情

中国以外の話 の記事

エジプトでのネット革命をIT屋視点で見て考える


Googleトレンドでエジプトにおける検索ワード「Facebook」のトレンドを表示。やはり騒乱前夜はグッとあがっている。
 
 
 昨日、中国でチュニジアのジャスミン革命を受けて「中国ジャスミン革命」の予告が行われたその日、NHKスペシャル「ネットが革命を起こした~アラブ・若者たちの攻防~」が放映され、ネットによる革命がとかく注目された。
 
 NHKスペシャルの番組を見たが、Facebookで団結を訴える人たちはインテリな若者、それも首都カイロ在住のMacやノートPCを所有し、高そうなカフェを利用するインテリだった。

 時間が経過しタハリール広場に後から参加してきた参加者は、携帯電話をカメラ代わりに使っていた。携帯電話はメーカー製のものが多かったが、山寨機っぽいのも少数派だが見かけた。騒乱後の混乱では後者の数が圧倒的になり、後者の人海が前者を凌駕して収集が付かなくなっている。

 筆者はエジプトには行ったことがないが、過去訪れた途上国の国々を思い出すに、個人でも金があるところには金があり、金がある人はよい教育と将来のため、外国に留学しがち。逆に中国の留学生を受け入れる大学は、先進国の人々はヒッピーまがいの貧乏人が多いのに対し、途上国からの留学生はとにかく金持ちで金払いがとてもいい。

 エジプトに関して映像から見るに、ネット発の革命はそうした金持ちが連携して初動の動きを起こした。途上国では金持ちと貧しい人々であらゆる点でギャップは激しく、パソコンをさわれる人もいればさわれない人もいる。ITリテラシーのない人もいっぱいいる。
 
 でも現地でのITリテラシーを日本人が知るには雲を掴むような、何から手を出していいかわからないという不安もあるだろう。実は僕らが払っている税金が、こんな素敵なレポートに昇華している。

総務省 世界情報通信事情
JETRO UAE及びエジプトのコンテンツ市場(アニメ・ゲーム分野)に関する調査(2010年9月)

総務省のレポートからは

エジプトのネット利用者は、2009年の時点で280万9000人(3.4%)、うちブロードバンドが107万7000人(1.3%)。携帯電話利用者は5535万人(66.7%)

だということがわかるし、またJETROレポートを一部抜粋すると

エジプトでは、PCの価格は、例えば大手PC関連商品販売店であるCompumeでは、レノボのノート PCが4,499EGP(約72,000円)、ASUS のネットブックPC が3,888EGP(約 62,000 円)という具合に日本とあまり変わらない。そのため一般的にはPC は高価な商品というイメージがある。カイロ市内にはPC4~5 台レベルのネットカフェを含めると、約5,000~6,000店の店舗が存在する。ほかの中東諸国よりもブロードバンド通信インフラの普及率が低いので、ユーザーは、ネットカフェでオンラインゲームをプレイする。ネットカフェのPC を使って、コミュニティサイトなどに反政府的な書き込みをする人もいて、こうした行為を取り締まるため警察官の立ち入り検査もある。エジプトは、中東諸国の中では戒律がそれほど厳しくないためネットカフェが多いが、戒律が厳しいサウジアラビアでは、道徳的な問題もありネットカフェがほとんど普及していないという。エジプトでは、文化省が、暴力、性的表現、反イスラムという基準に則ってコンテンツ内容を事前に審査している

 といったことが書かれている。これとエジプトやカイロを検索ワードにして動画や画像をIT屋視点から見るだけでも、なんとなく雰囲気、輪郭は見えてくる。

 この文章には「大手PC関連商品販売店であるCompume」という言葉がある。だからそこから「Compume egypt」で検索すると「うぉ、これがエジプトのPCショップサイトか!」となるし、そこで「VAIOが富士通が売ってる!」とか「ETEってショップブランドPCあるぞ!」とか「BOOKの項目見たらアラブ語圏向けFACEBOOK解説本売ってるよ!」とか「ゲームってソニー対MSで任天堂ないのか…?」とか「ひょっとしてデジカメはサムスンの勢力凄いの?」とかいろいろ見ることができる。さらにはエジプト人の推定平均所得から換算して「PC買えるわけねー」とかいろいろ知ることができるわけだ(興味がある読者は自分でやってみてくれ)。

 世界の情報を手探りする前にこうした政府系サイトをまず足場として見てみるのがオススメ。民間だけのサイトをサーフィンするのはもったいない。

セブンイレブンからもはじまるタイの通販


 
 タイで日本人旅行者が多いこと、それに長期滞在者が多いのは、タイの立地もさることながら、その居心地のよさにある(バンコクにいる日本人は仕事も含めて上海にいる日本人の3分の2程度いるといえば、どれだけ多いかわかるかと)。暑さを補ってなお居心地がいい理由のひとつはコンビニ、というかセブンイレブンの存在だと断言する。バンコクの繁華街にも地方都市の駅前にも国境を抜けた先にもそれは要所要所にあって、日本人は安堵の場所を見つける度にほっとする。

 店の中もまさに日本のそれに準じていて、雑誌もジュースも日用品も肉まんもチンして暖める弁当もそこにある。雑誌コーナーには必ずといっていいほど10バーツ(約28円)の通販雑誌「セブンカタログ(7-Catalog)」が置かれている。これが実はタイにおいて、インターネットショッピングとならぶメジャーな通販となっている。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 こんな感じで化粧品や日用品など女性向け商品を中心に、全うなガジェットから、WiiもどきiPhoneもどきまでさまざまなモノが扱われている。セブンカタログにはWEBサイトもあるので興味がある人はチェック。

セブンカタログ(WEBサイト) 
 

JETROレポート
タイにおけるインターネット市場と日本のファッション製品伝統産品の輸出可能性に関する市場調査(2010年3月)

 
によれば、タイの人口6338万人のうち、インターネット利用者は1342万人。そのうちの僅か26万人がオンラインショッピングサイトを利用していてオンラインショッピングの(民間向け)市場規模は2008年の時点で2400億バーツ(約6700億円)。一方セブンショッピングなどのカタログショッピング市場規模は2008年の時点で15億バーツ(約42億円)。

 というわけで無料で有用な上記JETROのタイレポートを読んで、中国脳のリフレッシュをしてみるのもオツ。

世界で若い旅行者が減っている


タイのバックパッカーの聖地「カオサン通り」。撮ったのが朝なので人通りが少ない。
 
 

バンコクの長距離列車の中心駅、ファランポーン駅

 タイの首都バンコクにあるカオサン通りは世界中のバックパッカー、昔で言うところのヒッピーが集まる場所だ。日本人は10年前の「電波少年」の影響力があり、かつては西洋人一括り(アメリカ人・オーストラリア人・イスラエル人・イギリス人・フランス人・ドイツ人)と勝負できるほど一大勢力だった。





タイの旅行者向けショップ。日本人が如何に多かった(過去形)かが垣間見れる


 ところが若い世代はめっきり減った。貧乏旅行ですら「外国へ行く金がない」わけでこれは皮肉でもなんでもなく、本気でお金が無い中で外国に貧乏旅行に出て、1日数百円としっかり決めて、それ以上贅沢をしない修行僧のような大学生バックパッカーを見聞きするようになった。(個人的にはマイレージを日々貯めればある程度解決できると思うのだが)

 「外国へ行く金がない」と言っているのは日本人だけでなく、そのカオサン通りにしてもバンコク駅(ファランポーン駅)にしても、会うバックパッカーは中高年だけ。10年前には20代を普通に見たのに、「ランボー4?」と言いたくなるほど若々しい西洋人の中高年ばかりしか見なくなった。数年前にはここまでオジサンオバサンだらけでもなかったし、僅か数年の間にこうも変わったのかと不思議に思った。
 
 

中高年のヒッピーばかり。ある程度意図的に撮ったがこうした光景ばかりが目につく


 若い人が絶滅してそうな雰囲気を疑問に思い、近くに落ち着いている西洋人がいるたびに聞いてみれば「金融危機で仕事がないんだよ」と口々に応える。10年前、20代の西洋人バックパッカーと話したときは「帰ったら帰ったでどうにかなるよ、HAHA」とか「仕事辞めて遊んでまた仕事するよ」とか言っていたが、そうも言ってられないのかもしれない。若い世代の人を見たとしても、そもそも本国から脱出し、アジアに安く住み着いている人だったり。

 減少する日本人に反比例して韓国人が増えた。特に女性が増えた。日本人と間違えて声をかけたら韓国人だった人と「いやぁ日本人は金ないし、世界を知るにはネットで十分。無理して危険を冒しに行くなんてという人はいるし」と言えば「韓国のネチズンもそう!」と同意。そういえば日本人もだが、女性の旅行客はちらほら見かけた。

 個人旅行客が集まるところにはいないけど、ショッピングセンターや著名観光地で見かけるのが中国人・インド人・それに中東系。タイに限らず、中国の奥地の観光地でも中東系は増えてきた。

 旅行という一側面でみても、先進国がどこも似通った状況であり、これから伸びる途上国は別の意味でどこも似通った状況のようである。

シルクロードの国々の恩人


家庭の少年とパソコン。ウズベキスタンの首都タシケントにて。

 以前、他誌向けだが、キルギスとウズベキスタンに取材旅行に行った。筆者個人的にオススメの記事なので見ていただければと思う。

月収1万円でハイエンド携帯電話を選ぶキルギスのIT事情
ウズベキスタンで日本の中古PCを売る男
異国で働くおじさんの土産は「dynabook」

 旧ソ連圏の言葉は話せない筆者が、(自分でいうのもなんだが)単なる旅行で終わらない内容の記事にできたのは、ウズベクやキルギスでの日本語使いに協力していただいたことが大きい。
 
 
 そのひとりであるウズベキスタンのタシケントで会った男性は、日本の筑波大学に今留学している。幸いにも彼に会う機会があったが、再会したとき驚くほど肥えていた。多少は太った方が母国ではモテるらしく、本人は幸せそうだった。

 会ったとき彼は聞いた。「ところで山谷サン相談がアリマス。●■▲はアラブの国々では絶対売れますヨ。一緒に商売シマセンカ?商社の友達イマセンカ?」

 ガラパゴス的に育った日本のモノに感動して母国に持ち帰り、商材とする外国人は数多くいる。たとえばアメリカのスターも、温水洗浄便座を買って帰っている。ところが筆者が特にウォッチしている中国の人だと、淘宝網(TAOBAO)をはじめとした個人ベースのオンラインショッピングサイトがあまりに有名になっているので、日本人を介して買おうなんてことは滅多にない。(あるとすれば余程でかいモノか、PS3やWiiの発売日のように余程大量にモノを送る必要があるときくらいだ)

 逆にいえば、ウズベキスタンの彼のような質問が出ると言うことは、オンラインショッピングサイトが市民権を得ていないといえる(サイトはロシアのものがあるにはある)。そこでビジネスチャンスとしては
1.モノを渡す橋渡し役
2.現地習慣に根ざしたオンラインショッピングサイトを作る
の2通りがあると思う。2に関しては、日本のモノを売るのだったら、中国での日本の製品輸入の経緯を振り返るに、ヤフーオークションや楽天の現地代行でもいいんじゃないかと思う。
  
 
 この話で出したいもう一人の恩人は、山谷の世話をする代わりに、ぜひ信頼できるガイドとして自分を紹介してくれ、と志願したウズベキスタン人。

Shuhrat Rahmatov氏は若い男性で、ウズベキスタンは世界遺産のブハラ在住。日本語OK。
e-mailは dr.rahmatoff 以下アットマークgmail.com

 結構話には筋が通ってて、安心できたガイドだった。ウズベキスタンに観光に行きたい場合は、ないしは漠然と変わった海外に行きたい場合は、彼にガイドを相談するといいと思う。

タイ・ベトナムのインターネット利用状況

 先週の金曜日、CNNIC(China Internet Network Information Center)が、最新の中国のインターネット利用状況を発表した。2009年末時点で人口の28.9%にあたる約3億8400万人が利用していることなどが書かれている。(詳しくは筆者執筆のInternet Watch掲載の記事を参照)
 

 
  
 ところで、アジアの他国の状況はどうかということで、まずは(「まずは」といいながら次はいつになるかわからないけど)インドシナ半島の雄、タイとベトナムの状況を紹介したいと思う。

 タイの最新統計情報のNECTEC というところが発表している。これによれば、2008年末の時点で1610万人がインターネットを利用している。外務省のデータでは、2008年末の時点で6338万人なので、普及率は25.4%となる。NECTECでは利用者人口のほか、ネットインフラなども紹介している。興味があればNECTEC にアクセス。
 
esasia-net2010011.jpg
 
 
 
 一方のベトナム。日本がJPNIC、中国がCNNICなら、ベトナムではVNNICというところがが月例で最新統計を発表している。これによれば、2009年12月の時点で人口の26.55%にあたる2278万人弱がインターネットを利用している。また、タイ同様にネットインフラの紹介もあるので興味があればVNNICのサイトを見てみることをおすすめする。
 

  
 ベトナムのインターネット人口の推移は書いていないので、せっかくなので各年の数値を取り出してグラフ化してみた。
 

 
 
 
 日本ではWindows 95とその後に続くインターネットが「ヒット商品」と言われたが、アジアの国ではWindows 95登場でインターネットをはじめた人というのは極めて少なく、自国の経済発展を原因に、2000年代前半あたりからインターネットが利用しはじめた人というのが多数派のようだ。言い換えればアジアの国々では、2000年代前半からPCが手に届く価格になった、ともいえるだろう。
 
 たとえば2005年のPCの動向を振り返るに、PCパーツでいえば、CPUがPentium4のクロック数表記モデルからモデルナンバーへ、そしてPentium Dが出たころである。日本で言えば自作PCに以前より楽しみが見いだせなくなったあたりであり、「ロースペックでも問題なくパソコンは動く」とか認識され始める時期ともいえる。それだけが原因ではないだろうけれど、そういったパーツ事情も途上国での普及に一役買ったのかもしれない。

紅白を生で見ようとする親日中国人が多数いるようだ

 今年最後のエントリーと前回の記事で書いたことを撤回。知り合いからチャットソフト経由でこんなメッセージが送られてきた。
 
kohaku09121.jpg
 
 「NHKの紅白歌合戦をPPLiveで生放送!」的なこの内容、日本語が話せる人から送られてきて、それは日本語学習グループでメッセージが巡回されている様子。試しに百度中国で「紅白」と「PPLive」で検索したらいっぱい検索結果が出てきた。
  

 
 海賊版だって、中日友好だからいいじゃないか!という輩が中国では必ず出てくる。困ったことに中国人はいかなる理由であれ、海賊版を見ることは、日本人から中国人への評判が悪くなる、という認識がない。(そして筆者もそうだが、日本人から日本に友好的な中国人個人に面と向かってダイレクトにそう言えなかったりする)

 来年は改善するかな。今度こそよいお年を!

韓国メーカーのテレビ映像サンプルが韓国をアピール

タイの首都バンコクでの話。

 現地の電器屋巡りをしていたときにふと気づいた。日系メーカーや、フィリップスなどは、液晶テレビのサンプル映像に、フレッシュな野菜や、プールと美女、アジアンビューティなどの映像を次々に出しているが、サムスンやLGは韓国のアイドルグループの映像をサンプル映像として出している。

 勘ぐりすぎかもしれないが、韓国アピール・韓国キャンペーンをさりげなくやっているんじゃなかろうか。


 そういや中国では中国の液晶テレビのサンプル映像に、EVDの映像サンプルを使ってたな。隅のほうにEVDのロゴがあった。

壮観!USBメモリデュプリケータで20本同時バックアップ

USB200PC_alp.jpg

 タイトルの通り、最大20本のUSBメモリをデュプリケートできる装置が、米Nexcopyから登場。これにより複数のUSBメモリにコピーする手間や時間が大幅に短縮されるのだそうな。製品情報は、Nexcopyのページから参照されたし
 

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 で、なんで中国リアルIT事情というブログで関係ないことを書いているか。中国のIT系メディアは華僑のネットワークがせいか、日本よりも中国国外のおもしろ新製品を探しては紹介していて、今回これを中国メディアで見て、「おおっ!」と思って日本のページで検索してもあまり見つからず。

 そんなわけで、「中国以外の話」もカテゴリーで追加。今後面白ガジェットが見つかれば、ときどき紹介する予定。

 ほんと、中国人ネットワークの情報収集力には感服しますわ。

プロフィール

山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。著書に「新しい中国人」。

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