中国リアルIT事情

中国で最も発展している省「広東省」のインターネット統計

 ちょっと前の話だがCNNIC(China Internet Network Information Center)から「広東省互聯網発展状况研究報告」というレポートが出た(なぜか今は元ソースがないのだが)。

5月22日追記。ソースが復活しました。リンクはこちら。

 広東省は香港に隣接し、古くから世界の工場として工業と、ついでに広東料理が発展しているところであり、上海・北京についで特に珠海デルタを中心に裕福な地域である。つまり中国の中でも結構インターネットが普及している地域と予想できる。
 
 実際、広東省は中国全土の先を行く。全省での普及率は55.2%で、広州市限定だと71.1%、深セン市限定だと71.4%、マカオの隣の珠海市限定だと67.7%と、もう日本の地方都市以上に普及していっているといい。中国全土ではインターネット利用者は4億7700万人、総人口に対するネット利用率は35.6%なので、ざっくりいって倍の普及率だ。これを見るに内陸の大都市も将来的に7割くらいの普及率にはなるんじゃないかと思う。
 
 広東省のネット普及の原動力は、農村部の人々もかろうじてネットが利用できそうなほど所得の高さは大きく、また文化的・流行的に内陸よりも先をいっていることが大きい。
 
 

広東省のネット利用者の所得実態。全国平均より高い(1元=12.5~13円くらいで計算)
 
 
 

広東省のネット利用者数の推移。増加に歯止めがかかってきたか。ネット普及率7割くらいが上限だろうか。
 
 
 
 ただ、単純に「広東省のデータが中国全体の未来図」とは断言できない。JETRO発行の「広州スタイル」を例にビジュアルで見ても、なんとなくわかる人がいるかもしれないが、Jetro広州の方と話したときにいわく「広東省は習慣の変化を望まない保守的な土地柄」であるという。(広東省深センは、中国中から労働者が集まる都市なのであの都市だけは全く別物)

 そうした保守的な土地柄だと頭に入れた上で、以下のCNNICのデータを紹介。
 
 

保守的だからだろうか、7割も普及しているのに、40代以上の利用率が全国平均とそう変わらない
(「中年(文革経験世代)以上のネット利用者は全国平均よりも少ない」とか書きましたが嘘です、すみません!)
 
 
 

SNSやオンラインバンキングなどの一部サービスの利用率が全国平均よりも低い
 
 
 
 保守的な土地であることだけが理由ではないかもしれないが、ひとつの理由にはなっていると思う。ここから見えることは、必ずしも所得や先進的都市が国全体の将来を示しているかというとそうでもなくて、基本は同じだけれども若干の土地柄補正も入るということ。こうした調査データを読む際は、調査した土地の土地柄の特徴を念頭においたほうがよいということだろう。

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プロフィール

山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。著書に「新しい中国人」。

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