中国リアルIT事情

百度よ、これはマズいんじゃないか?

 中国ナンバー1の検索サイト百度(Baidu)が新しくリリースした動画共有サービスならぬ文書共有サービス「百度文庫」がちょっとどころでなくマズい。それは下の写真を見ればわかる。
   
 

1Q84にPDFアイコン
   
 

史上最強日本史なるファイル
 
  

Amazon中国で「史上最強日本史」。要は商用本がアップされちゃっているのだ
 
   
 百度文庫は名前から見ると、Googleブックスの対抗馬のように思えるが違う。百度文庫では優酷(Youku)などの中国の動画共有サイトで海賊版の動画がアップされるように、著作権的に問題ない文書と明らかに著作権的に問題のある文書がごっちゃにアップされ、かつ海賊版を容易に見つけることができるのだ。

 百度文庫では、中国語の書籍の海賊版が配信されるだけでなく、日本を含む海外の人気書籍も、中国で正規に販売される翻訳版の書籍も、ここでアップされる。その対処としては、動画や音楽のように訴えるしかない。訴えるためには、現地でコンテンツをやりとりする出版社と提携するしかない。(この辺はJETROの中国コンテンツビジネスレポート(2008年6月〜8月分)のP19以降が詳しい)
 
 Googleと百度は同じ検索サイトであり、両社はしばしば訴えられることが多いが、百度は海賊版配信で訴えられることが多く、Googleが訴えられる内容とベクトルが異なるんだなと。でもって、そうした海賊版コンテンツをばらまいた上で、mp3プレーヤーもゲーム機も電子ブックリーダーも魅力的になってハードウェアが普及するんだろうなと。

 百度中国といえば百度mp3捜索抜きには語れない。百度mp3捜索に関する最新の裁判所の判断は「我々百度はネットに落ちているファイルをリンクして、視聴しやすくしているだけのサイトだ」という意見が受け入れられ、合法となっている(2010年1月22日、北京市第一中級人民法院)。 

 このサービスは、百度はインフラを提供しているだけというかもしれないが、百度のサーバー上に上がっているために、百度mp3捜索と同じ道理ではない。若者に人気そうな書籍とか、ベストセラーの書籍を抱える出版社さんは、百度文庫で検索してみて、もし海賊版があればしっかり対応すべし。
 
 
参考記事:中国にアニメを売る方法というか実例

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山谷剛史
フリーランスライター。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。著書に「新しい中国人」。

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