中国リアルIT事情

2010年04月 の記事

中国の掲示板上で嫌韓が再燃


 最近「韓国大棒子的無恥行径焉能撼働我們的文化伝統」という掲示板の書き込みが様々な掲示板にコピー&ペーストされ、火がついている。
 
 内容は、中国の有名な医者「李時珍」が、李時珍が韓国人だと韓国で言われ、端午の節句や孔子や長江流域が韓国が源流だと言い出し、様々な文化を盗んでいる、というところから話を導入し、さらに韓国で「天安門は韓国の伝統建築物」という話が出回っているそうで、その噂が中国人の怒りの火に油を注いでいるようだ。

 この掲示板の内容ではないが、最近、まだ20代前半の若い中国人小説家の「韓寒」という人も韓国人と認識されているという話題がニュースにのぼっている。こうした韓国人に有名人が韓国人と勝手に認定されることを「被韓(韓国のものにされる)」というそうだ。

 最初の掲示板のスレッドに話を戻すと、嫌韓の話の後、日本にもなぜかとばっちりがやってきて、
「北京同仁堂が世界展開していくなかで、同仁堂というブランドが勝手にできあがった。同仁堂をはじめとして、ブランドが使われ、稼がれ、日本軍の兵器弾薬となった」
としたうえで、
「世界遺産公約では、文化や遺産を保護すべきというのに、外国に奪われっぱなしである。中国人は温厚な民族だが、こうしたことは我慢ならない。」「天安門は中国のヘソだが、それを自分のものとするなんて(韓国人が)許せない」
という内容となっている。
 
 青海省地震で半旗が掲げられた日、万博会場では韓国館だけ国旗を普通に掲揚していて顰蹙買ったし、大丈夫だろうか。


チベットにノアの方舟説

 今月、中国のネット上で盛り上がっているオカルトな話がある。

 2012年人類滅亡説に関連して、ノアの方舟がチベット自治区で建設されているのではないか、という話だ。

 話題になっているのは、「方舟建造地点 有図有真相」というスレッドで、百度中国で「方舟」と入力するだけでも、そのスレッドが予測検索候補として上のほうに表示されるほど、様々なサイトに転載されている。

 チベット自治区のニンティ(林芝ないしは八一)地区のある部分を、Google MapやGoogle Earthで見ると、不可解な場所に謎の建造物が建築中のようで、未確認建造物だけに2012年とひっかけて「これはひょっとして方舟じゃあないの?」と話が盛り上がっている様子。

 Google MapでもGoogle Earthでも「林芝空港」と入力し、まずニンティ空港に移動した上で、

1.そこから南東方向に2.6kmほど川沿いにいったところにある謎の三角形の建築物
(Google Earthを利用すると、そこに既に誰かが「2012方舟所在地」とマークしたのが確認できる)

が話題になっている場所だ。掲示板によっては、

2.滑走路南端から西に12km突き進んだところと、滑走路真ん中から西に10kmのところにある謎の黒いモヤ

がさらに話題を盛り上げる。

 敢えて画面キャプチャは掲載しない。この記事を楽しむならば、自らGoogle MapやGoogle Earthで現場を見た後に、掲示板での画像解説を見るのがいいのではないか。画像解説だけに中国語だけれど、画像はいっぱい貼り付いているのでなんとなく理解できるはず。

 それにしても中国だと「国家転覆」とか「ポルノ」とか「賭博」とかと並んで「デマの流布」もネットでも御法度らしいから、この情報、いつまで残るのか。

中国青海省大地震でネット全体が黙祷ムード

 青海省大地震で半旗を揚げた今日、ネットも一体となって哀悼バージョンに。すなわちポータルサイトからメーカーサイトまでトップページが白黒になった。ネット全体の哀悼は四川大地震に続き2例目。


百度
 
 

グーグル香港
 
 

新浪(中国No1ポータルサイト)
 
 
 

淘宝網(オンラインショッピングサイト)
 
   
  

家電の雄「ハイアール」
 
 

ソニー中国
 その他日系企業だと、トヨタ、キヤノンなども白黒に。
  
 
 

サムスン中国
 LGも白黒。
 
 
 

ケンタッキーフライドチキン中国
マクドナルド中国やコカコーラ中国も白黒。
 
 
  
 

優酷網(YOUKU。中国No1動画サイト)
 
 
 
  
 一方で、トップページがカラーのままのサイトもある。 
 
 
 


中国政府
 
 
 

Panasonic中国
 その他ホンダ、東芝、シャープ、日立、富士通、NEC、ニコンなどもカラー。
 
 

Apple中国
 IT系ではIntel、DELL、モトローラなどもカラー。HPはトップページが見れず(トップページ更新中?)。アメリカではないがNOKIAもカラー。コカコーラは白黒だがペプシコーラはカラー。
 
 カラーか否かが、「中国の消費者を大切に思っているか」、転じて「現地化しているか」「中国市場への本気度」「中国市場を知り尽くしているか」のひとつの指標になるのではなかろうか。 
 
 
 
 今日はオンラインゲームもこの事情によりできないのだそうだ。
 

 
 


 
 ご冥福と早い復興を祈ります。

中国人が悩む交換レンズの”ニセモノ”

 知り合いの中国人からデジイチの交換レンズが買いたいという相談があった。中国で売っているものは信用できず、ニセモノを買わされる可能性があり、願わくば日本で売っているものを買いたいのだという。

 ニセモノたって、交換レンズは中国の工場がこぞって組み立てているmp3プレーヤーや携帯電話(作っているとは表現したくない)じゃないし、ニセモノが作れる製品ジャンルではない。

 とはいえ、気になるので検索してみると、
 
 

 
 
 確かに中国のアキバこと、北京の中関村で、インチキ商人が交換レンズを騙して販売している、というニュースがある。

 この内容は、カメラメーカー純正品を買いに来た客に対し、レンズメーカーの純正品よりずっと安い同等スペックの製品を、純正品価格で販売し、客からだまし取るという手法ばかり。ニュース記事や掲示板の告発サイトのオチは「品質の粗悪な互換品を販売して暴利をむしりとった」とばかり書いているが、ただ互換品ってだけで粗悪じゃないのだが。安かろうよかろうという概念はないのだろうか。純正品じゃなければメンツがたたないのだろうか。以前、九寨溝でデジイチを持つ中国人観光客が集まる様を紹介したことがあるが、レンズはどうかもメーカーを含めて再度ウォッチする必要性を感じた。

 なので、モノのニセモノは今のところ出ていないようだ。とはいえ、淘宝網(TAOBAO)での最安値の商品の安さはかなりのもので、やっぱりなんか仕掛けがあるんじゃないかなーと勘ぐってしまう。
 
 
 

 
 
参考記事 権威失墜する中国のアキバ

中国人「13年前に岡本真夜が上海万博のテーマ曲をパクった!」



 上海万博のテーマ曲が岡本真夜の「そのままの君でいて」にそっくりだということが話題となっている。「そのままの君でいて」は、「もーっとじーゆうにー もーっとすなーおにー つーよがーらーなーいで あるいていこうー」で始まるあの歌だ。
 
 興味があれば、検索して「そのままの君でいて」の歌詞を見ながら、中国サイトにアップされた万博テーマ曲のPVを見てみるのもオツ。日本からのアクセスができない優酷網(YOUKU)のようなサイトもあるが、なんとか探し出してみよう。
 
 
 
百度動画検索の検索結果   Google動画検索の検索結果
  
 
 
 「小日本にばらすなよ、笑われるぞ」「小日本め、13年前にパクリやがって」というコメントが素敵。上海万博で岡本真夜を特別招待して歌ってもらうくらいあってもいいのに。

「たちあがれ日本」の中国名について

 中国に滞在し始めてからずっと疑問に思っていたことがある。特にインターネット普及以降、漢字しかない中国で、あらゆる日本の文化を紹介するのに、当て字で対応してきた。たとえば「そのまんま東」も「東東」と漢字化されたし、カタカナの多いプロレスにおいても、ジャイアント馬場は「巨人馬場」 に、アントニオ猪木は「安東尼奥猪木」と翻訳されている。ただいかなるプロセスを経て漢字名が決まるのかがわからなかった。
 
 さて新党「たちあがれ日本」である。日本で話題の政治のトピックならば、食いついてくるのが中国メディア。きっと「たちあがれ日本」についても紹介するだろう、ならば「たちあがれ日本」を漢字に当て字化して紹介するだろうと期待していた。

 新党の名称が固まった4月7日、中国新聞網がニュースを報道「奮起日本」という名称として、他のメディアもそれに追随した。
 

  

 
 
 
 「なるほど、政府系メディアが最初に書けばそれに追随して当て字が確定するのか」と思いきや、結党した4月10日には、大手ポータルサイトでもあるQQのニュースサイトが、この党を「日本奮起党」と命名した。さらに中国大陸最大のフリー百科事典サイト「百度百科」も「日本奮起党」表現に乗った
 


 

 

 

 
 さて「奮起日本」と「日本奮起党」の名称が共存するのか、政府系ニュースサイト起案の「奮起日本」が折れるか、大手ポータルサイト起案の「日本奮起党」が折れるか。その後が楽しみだ。

「動漫」という言葉の地域による違い

 中国最貧省と言われる貴州省に行く機会があった。日本の若者文化の浸透具合はいかほどかと、アニメこと「動漫」をキーワードに、百度地図で検索してみると、貴州省の省都貴陽でずいぶんとあるらしい。 
 
 
 

 
 
 
 これのいくつかを見てみると、実は日本のアニメグッズショップとかではなく、それらはギャンブル場と貸したゲームセンターだった。百度地図にこそ書いていないが、貴州省の中小都市の市街地にも「×○動漫」という名のゲームセンターはそこかしこにあった。

 他の都市でも、アニメグッズショップの中に、たまに動漫の名のつくゲームセンターも混じっているが、貴州省では、動漫の単語の意味が他所とはどうも違うようだ。
 
 
 

 
 

 
 

貴州省まで流れてきたポスターが気になった。

中国の日勝なるメーカーのブランクメディアあれこれ

 中国には日勝(Risheng)というCD-RやDVD±RやBD-Rをリリースするメーカーがある。中国の電脳街で見る「これは怪しいデザインだわ!」と驚き、ないしは「これは日本で誰かにプレゼントしなきゃ!」と思うブランクディスクには「RISHENG」のロゴがあり、すなわち、日勝(Risheng)製なのである。

 同社の製品の中でも尖ったデザインの製品を紹介しよう。

婚慶系列 結婚式の記念ビデオはこのメディアで!

仏教系列 (これはどういう状況で使う物か、調べたがわからず…)


 
 
 
 日勝というメーカー名からは、「日本に勝つ」という意味合いが込められているかもしれないが、同社WEBでは「日憶」というブランドのブランクメディアも売られているあたり、中国の消費者目線を考慮するに、なんちゃって日本メディアを自称しているだけのような気がする。海外で「RISHENG from Japan」なんて売られ方してなければいいけど。

ボッタクリについての考察

 中国に限った話ではなく、インドだって、東南アジアだってある「ボッタクリ」について考えた。(ここでは日本の風俗業における高額なボッタクリは含まない)

 日本人がボッタクリと認識するのは、同じ商品・サービスでも人によって違うのを目撃するときで、特に自分が払った額が市価よりも高かった、ないしは市価よりも高いと「ぼったくられた、ぼられた」と判断して、(アジアでは金銭的にはたかだか数十円のケースもあるだろうけど)モラル的に許すまじ、となることが多々ある。日本人の筆者だって、何年いてもおかしな価格付けに腹をたてる。

 ところが、物価が誰がみてもわかるほど年々上昇中の中国で、筆者は物価の上昇を考慮せずに「それ、前買ったときの値段と違う!」と抗議した恥ずかしい経験が何度もある。白状すればひどいケースでは、1元(14円)の豆腐が1元5角(1.5元=20円)に変わったのを知らずに、店側がぼってきたと勘違いし、5角の違いに文句をたれたことがある。こうした場合、店側は折れるというのだろうか、しょうがないなあとばかりに1元で販売する。これでは店側は損したかもしれない。そして筆者は現地価格で買えたとぬか喜び。

 つまり、市価100円のものを150円で売る店の行為をボッタクリと思うのは当然としても、市価100円のものを最終的に80円で売った店も、100円で売ろうとする行為はボッタクリと思ってしまっているわけだ。そして中国人商人は、ゴネた相手に(おそらく最初だけは)情状酌量で原価割れで仕方なく販売することが普通にあるようだ。たとえば横山光輝の三国志第一巻冒頭で、劉備が商人から茶を買うシーンも、商人の情状酌量が入っている。

 もちろん観光都市の見所の前や空港の前や著名ホテルの前でたむろす連中は、経験上ほとんどぼったくってくるが、しかし庶民の市場では悪意のボッタクリは、そんなにあるもんでもないのではないかと思う。 
 
 
 
wikipedia ボッタクリ

中国流エイプリルフールの嘘

 4月1日には、日本のいくつかのサイトが、エイプリルフール向けコンテンツを用意するのがもはやお馴染みとなっているが、中国でもネットではこの日に向けたコンテンツを用意する。

 どうもエイプリルフールに人気のコンテンツは、ジョークソフトらしい。たとえば実行するとブルーバックになってしまうようなソフトとか、違法な行為を行ったという警告窓が表示されるような、ウイルス感染を誤解してしまうようなソフトの類だ。筆者自身もチャットソフト経由でどれだけジョークを受けたことか。
 
 ジョークソフト以上に今年中国国内でヒットした4月1日限定のコンテンツは、個人が作った人民日報社非公認の「人民日報海外版」だ。中国語で「愚人節 人民日報海外版」で検索すると、ひとつの画像に関する記事が大量にヒットする。それがこれ。
  
  
  

 
 
 
個人により作られた偽の「人民日報海外版」。そのジョーク記事の内容は・・・

・中国はアメリカのサンフランシスコで新型核爆弾の実験に成功
・国連本部、北京に
・中国、ペンタゴン誤爆でアメリカに謝罪
・ダライラマ、銃撃され死亡
・上海株総合指数100万を突破
・ワールドカップ、中国が優勝
・日本で大地震発生。中国政府、救援隊派遣も生存者は未だ見つからず

などなど…。お国が変われば、ジョークも変わるのは当然ではあるが。。。

シルクロードの国々の恩人


家庭の少年とパソコン。ウズベキスタンの首都タシケントにて。

 以前、他誌向けだが、キルギスとウズベキスタンに取材旅行に行った。筆者個人的にオススメの記事なので見ていただければと思う。

月収1万円でハイエンド携帯電話を選ぶキルギスのIT事情
ウズベキスタンで日本の中古PCを売る男
異国で働くおじさんの土産は「dynabook」

 旧ソ連圏の言葉は話せない筆者が、(自分でいうのもなんだが)単なる旅行で終わらない内容の記事にできたのは、ウズベクやキルギスでの日本語使いに協力していただいたことが大きい。
 
 
 そのひとりであるウズベキスタンのタシケントで会った男性は、日本の筑波大学に今留学している。幸いにも彼に会う機会があったが、再会したとき驚くほど肥えていた。多少は太った方が母国ではモテるらしく、本人は幸せそうだった。

 会ったとき彼は聞いた。「ところで山谷サン相談がアリマス。●■▲はアラブの国々では絶対売れますヨ。一緒に商売シマセンカ?商社の友達イマセンカ?」

 ガラパゴス的に育った日本のモノに感動して母国に持ち帰り、商材とする外国人は数多くいる。たとえばアメリカのスターも、温水洗浄便座を買って帰っている。ところが筆者が特にウォッチしている中国の人だと、淘宝網(TAOBAO)をはじめとした個人ベースのオンラインショッピングサイトがあまりに有名になっているので、日本人を介して買おうなんてことは滅多にない。(あるとすれば余程でかいモノか、PS3やWiiの発売日のように余程大量にモノを送る必要があるときくらいだ)

 逆にいえば、ウズベキスタンの彼のような質問が出ると言うことは、オンラインショッピングサイトが市民権を得ていないといえる(サイトはロシアのものがあるにはある)。そこでビジネスチャンスとしては
1.モノを渡す橋渡し役
2.現地習慣に根ざしたオンラインショッピングサイトを作る
の2通りがあると思う。2に関しては、日本のモノを売るのだったら、中国での日本の製品輸入の経緯を振り返るに、ヤフーオークションや楽天の現地代行でもいいんじゃないかと思う。
  
 
 この話で出したいもう一人の恩人は、山谷の世話をする代わりに、ぜひ信頼できるガイドとして自分を紹介してくれ、と志願したウズベキスタン人。

Shuhrat Rahmatov氏は若い男性で、ウズベキスタンは世界遺産のブハラ在住。日本語OK。
e-mailは dr.rahmatoff 以下アットマークgmail.com

 結構話には筋が通ってて、安心できたガイドだった。ウズベキスタンに観光に行きたい場合は、ないしは漠然と変わった海外に行きたい場合は、彼にガイドを相談するといいと思う。

前の月:

2010年03月

次の月:

2010年05月

プロフィール

山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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