中国リアルIT事情

2009年11月 の記事

講演、やります

 1月27日28日に開催される第18回ディスプレイサーチフォーラムで講演することになった。筆者は同サイトのプログラムに書いてあるが、筆者は「中国のTV&IT最新事情 中国人の消費マインドを現地在住者の目線で語る」というタイトルで話す。筆者のほかにも、IT系メディアではお馴染みの本田雅一氏も招待講演で語るそうだ。

 

デジカメのニセモノバッテリーが流通?


 
 市場調査で写真を撮りまくっていた途中、デジカメのバッテリーの残容量が僅かで赤信号が。ホテルに戻って充電する時間的余裕もなく、電脳街で調査ついでにバッテリーを購入することに。ところが電脳街を探してもデジカメメーカーやサードパーティのパッケージの電池が展示していない。困ったので、とりあえずデジカメショップに行って売ってないか相談してみた。

 筆者のデジカメはペンタックスので、ペンタックス(中国語で「賓得」)というメーカー自体、中国人にはよく認知されているけれど、あまり売られておらず、その店でもペンタックスのバッテリーはおろか、デジカメも置いてなかった。ところが店員は「没有(メイヨ~:ないよの意)」と言うことなく、「これ同じだから」と富士フィルムのデジカメのパッケージからバッテリーを抜き出して「100元でいいよ」と。

 実際それで使えちゃうものだから、いいっちゃいいんだが、ではバッテリーが欠品のデジカメ本体は売れないんじゃないという疑問が生じる。そこで前回紹介した上海JETROニセモノ展示館が再度登場。
 

 ニセモノ展示館の中で、デジカメメーカーによるバッテリーのニセモノが展示されていた。それは当然、正規品よりもずっと安い価格で販売しているという。今回のケースなら、ニセモノのバッテリーを富士フィルムのデジカメのパッケージに入れたのではないかと。いや、100元で買えたし、筆者が購入したもの自体がニセモノの粗悪な電池で、購入後に店は再度ニセモノの電池をパッケージに入れたのではないか。疑念は尽きない。

 そういう疑念がつきものの市場だからこそ、わざわざ秋葉原や日本橋で中国人観光客が、中国でも発売されているデジカメを購入していくのもうなづける。

JETRO模倣品展示コーナー@上海


 
 
 上海のJETROに、模倣品展示コーナー、簡単にいえばニセモノ展示館がある。もうちょっと場所を詳しく書くと、日本人が多数滞在する日本人駐在員にはおなじみの「虹橋開発区」にある。地下鉄ならば2号線の楼山関路駅ないし、3号線4号線延安西路から徒歩15~20分くらい。気軽に入れるので、上海に行く場合は寄ってみると面白いかも。
 
 
 

メモリカードとか電池とか。日本でも安すぎるものは怪しいかも
 

メモリーカードとか電池とか、その2
 

DVDプレーヤー
 

DVDプレーヤー、その2
 

Amazon中国でも販売している「芝麻開門(ひらけゴマ)」ブランドの販売コンテンツもJETROは海賊版と認定
 


プラモデルもコピー商品がいろいろ 
 

化粧品も海賊版。だから多くの中国人が日本に向かい化粧品を買う

それ(Windows7)、中国版ということじゃないですよね。

・・・・・・なんて名言もあるわけだが、いや筆者は中国版の正規版をしっかり購入した。Amazon中国で新興国限定、日本未発売のWindows7 Home Basic(家庭普通版)を399元、日本円にして購入した。
 
 

パッケージ
 
 

添付物
 
 

正規版パッケージ購入特典
 
 

特典の中身は紹介ビデオと無料のアンチウィルスソフト「Microsoft Security Essentials
 
 

Home Basicでできること、できないこと

 気になるHome Basicの機能は、Home PremiumからWindows Media Centerの機能やホームネットワークの機能を削減したものらしい。Wikipediaにはもうちょっと書いてあるが、いずれにしろ実機でちょっと検証する必要はある。

ゴーゴーウエスト!

 1日が早い。@日本東京

 年齢を重ねたのが理由ではない。冬だからというのは少し理由に入る。

 夕方で真っ暗になるってどういうことだと。東京育ちとはいえ中国内陸で数年間過ごした身には、到底
5時に真っ暗というのは信じがたい。ライフワークはリアル時計と体内時計で調整しているから夏だろうが冬だろうがほぼ同じ時間に置き寝るが、それにしても暗くなると「あぁもう夜か」とは思う。やはりモノが充実した現代でも太陽は各人の時計としての役割も担っている。

 いや、中国の内陸って西じゃないですか。中国って北京時間で合わせているから、どんなに東にいても北京時間だし、チベットとか新疆ウイグルにいても北京時間なわけだ。もちろん与那国島でも知床でも明石時間だけど、中国ほど大きな差はないわけで。北京よりうんと西にいると、すごく夕暮れが遅いんですよ。だから「あぁもう夜か」じゃなくて「あぁ、ようやっと夜だよ」みたいな。時計があるという前提で、なんか得した感じがするのだ。

 下の写真は7月、西北に位置する新疆ウイグル地区のウルムチにて。この記事のために訪れ、その数日後にあの大騒乱。

 これで夜9時過ぎ。日が昇るのも遅ければ、日が沈むのも遅く、夜9時でもこれ。なんとなく1日が長く、人生が長く感じるのではないかとか思った。というか実際感じる。


中国をイメージしたPCケース

 PCケースや電源で知られる「金河田」というメーカーが、「中国風」という中国をイメージしたPCケースをリリースした。「中国=愛国」なイメージを持っている読者も多いだろうけど、中国をイメージした製品は意外にも珍しい存在。そんな中国的PCケースはこんなデザイン。
 
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中国ネットショッピングで中国工場直送の日本製品を買うか否か

タイトルが長くてごめん。

 最近中国のネットショッピングでは、特に代表的サイト「淘宝網」などで、日本など中国国外の国の製品が多く売られている。それはASCII.jpの連載記事「中国人のオンライン転売事情」を参照してほしい。

 さて日本の製品でいうと、アパレルが人気の製品ジャンルのひとつなのだが、「日本の服を購入するなら、中国の工場から出ているのだから、工場からの製品を直接購入するのが安くて通な方法」と考える中国人もいる。

 工場直送の日本向けだけの製品が売られるということは、別のネットショッピング漬けの中国人いわく「そうした商品は、(必ずそうだというわけではないけれど)糸のほつれとか、片腕片足だけ長すぎるとか、何かしらの原因で日本に送れない製品」だという。

 要はそうした前提を受け入れた上で、多少の問題を気にしない人は、日本向けの服を中国から購入し、日本人と同じ完璧なモノが欲しいという人は、日本向けの服を日本から購入するということだ。

MSIが台湾でWiiっぽいPCをリリース

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台湾でMSIが、かなりWiiっぽいatom搭載ネットトップ「Wind Box DE200」を発売した。

 スペックは
 
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 こんな感じ。これに筆者が以前別媒体で紹介した、PCでWiiを再現!なガジェットを繋げば、中華なリアルWiiのできあがり…か?


BSAの海賊版利用率80%は荒唐無稽だという中国の話


 BSA(ビジネス ソフトウェア アライアンス)は毎年各国の海賊版利用率を発表しているが、その調査報告書によれば、中国は近年80%台をキープしている。その報告に「ちょっと待った!」をかけたのが、「互聯網実験室(インターネット実験室)」という、中国人による中国専門のネット調査企業。同実験室が算出した中国の海賊版率は2007年は56%に、2008年は47%になっているという。
  
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 「まぁた、中国は嘘ばっかり!」と怒るだけで終了ではよくない。理由を考えよう。
 
 
 
 この中国同実験室の算出法は、2008年の中国ソフトウェア市場での市場規模から逆算して海賊版率を計算しているのだ。ソフトウェア市場といっているのだから、例えば無料のソフト(QQなどのチャットソフト類とか)だけど広告収入で儲かっているソフトとかも入るのかもしれないが、その辺は書いていない。

 日本人で海賊版にハマる人だと、コンプリートすることを目的にする人なんかも出てくるが、中国人で海賊版をコンプリートしようとする人は見たことがない。コンプリートしようとする収集癖は日本人によく見られて中国人ではあまり見られないのは、例えばドラマにしてもアニメにしても街の海賊版ショップで容易に手に入れられるかもしれない。いろんなソフトを入れれば重くなるのがわかっているから、PC歴がそれなりにあるユーザーは闇雲に海賊版ソフトを入れない。

 一方でBSAの算出方法はこんな感じ。
  
piracy2009113.jpg
 
 算出方法の違いこそあれ、BSAは世界共通の方法で調査を行っているのだから、例えば日本が21%に対して中国が80%というのは、これはひとつの目安にはなる。もちろん互聯網実験室の方法で中国を47%とすれば、他の国々も互聯網実験室の方法で測らない限りアンフェアだ。例えば日本はBSAの調査方法で21%、中国は互聯網実験室の調査方法で47%というのは、比較にすらなっていない。

 だからBSAの80%に対して、互聯網実験室が待ったをかけているが、「いや、中国は80%じゃない、47%だ」というだけで、自分の国だけ別の調査方法・調査基準で低く見積もるのはズルになる。世界共通の方法で調査した結果の「80%」という統計結果に自分の国のだけ数字を出して反論すれば、頭から湯気が出たのではないかと言われても致し方ない。互聯網実験室は、ぜひとも他国の数字も調査し公開してほしい。
 
 BSAでは「偽造品販売のアジトは中国? 」なんてニュースも最近出たし、ぜひとも「コピー天国」のイメージを覆すような統計を。

中国発非公式規格「RBD(Real Blue-Ray Disc)」

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 去年のDVDの次の規格として中国の民間のなかで「Real Blue-ray Disc」、略して「RBD」という規格があるのを最近知った。去年の夏あたりから出ているらしい。

 その正体は、DVDのメディアの上に「mpeg2」ではなく圧縮率の高い「AVCHD(映像にH.264を採用)」を採用し、ハイビジョン映像をDVDメディアに記録したものである。発想としては、CDメディアにDVDクオリティの映像を詰め込んだ「SVCD」や、DVDメディアにハイビジョンを詰めこんだEVDに似ていて、既存の技術同士を単に組み合わせた中国発らしい規格である。(ただしEVDは一部コーデックを独自のものとし海賊版対策を施している)

 Blu-rayと名乗っているが、青色レーザーではなく、DVDと同様赤色レーザーである。コンテンツが真っ先に供給される先進国ではブルーレイが普及し、一方中国では「ブルーレイはハードもブランクメディアも高いから」と、パッケージは先進国のブルーレイビデオのままに、中身は中文化されRBD化された海賊版DVDが売られている。RBDは海賊版ブルーレイビデオをDVDプレーヤーで見るために誕生した民間の非公式規格なのだ。「RBD Ultra」とか「RBD Pro」という、RBDの上位規格を名乗る海賊版もある。

 中国のメディアでは、紹介した上で「海賊版はよくない」と諭す記事もあるが、誕生の経緯を説明した後でなおも「ブルーレイ陣営の暴利を破壊するために必要だ」というわけのわからない論理展開をする記事もある。

 中国では海賊版まずありきでプレーヤーは育つので、ブルーレイプレーヤーの価格帯がDVDプレーヤー、すなわち日本円で5000円くらいまで落ちないと中国人はDVDプレーヤーを所持し、ブルーレイプレーヤーに乗り換えないのじゃないか。RBDは実は次世代光ディスクメディアの中で一番普及しそうな予感。
 
 
 
RBDを紹介する新聞記事
 

 

牧場・農場ブームの次は漁場!…だと?

 何かと話題の「サンシャイン牧場(サン牧)」や「みんなの農園」をリリースしてきた中国。中国でも「仕事中や家に帰ってずっとやっていてそれ問題じゃね?」とメディアが注意喚起する記事が続々と出るほど大人気だ。

 そんな中国では、そっくりなWiiやiPhoneなどが登場するのと同様に、こうしたオンラインゲームの人気にあやかろうと、今度は漁場モノゲームが登場した。その名も「開心魚塘」。
 
 

 
 
 まだ開心魚塘が人気というニュースは見かけないが、日本でもオンライン養殖ゲーが流行るのだろうか。

中国ネットショッピングは安売だけにあらず


 
 

 
 

 
 
 筆者の滞在する中国の奥地にも、芸術家の即売会が開催され、即売会会場はアジアンなイメージの中国とは思えない洒落た雰囲気に包まれていた。そこでは多くの地元芸術家が集い、地元のハイセンスな消費者が様々な作品を見て買って楽しんでいた。
 
 芸術家たちは、それぞれの販売スペースで自身のオンラインショッピングサイトのURLを記した名刺を老いていた。今時のゲージツ家は中国最大のオンラインショッピングサイト「淘宝網(TAOBAO)」に自身の作品を販売するオンラインショッピングサイトを持つことが当たり前になっているのが興味深い。

 中国のオンラインショッピングサイトというと、何かと中国国内外の激安で仕入れた製品の転売、すなわちひたすらモノを安くというベクトルしかないと思いがち(かつそれがメインではある)だが、そうではないクリエイティブな製品も結構売っているわけだ。

 そういえば最近では「出品者の若き女性とのデート権」「翻訳作業」「寂しさ」「養子」など様々な商品が出品されるようになった。そう考えれば芸術家もオンラインに顧客を求めるのもしかるべくの流れだろう。

 商人気質の中国人が作り上げた淘宝網をはじめとしたオンラインショッピングサイトとその莫大なコンテンツ。中国のインテリな若者は「中国のオンラインショッピングでは海外のモノでも何でも売っている!何でも手に入る!」と胸を張る。 ……ソフトウェア、日本のモノでは人気のゲームソフトの正規版とかアニメDVDの正規版を除いては。(びっくりするくらい売ってないぞ!)

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山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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