中国リアルIT事情

2009年07月 の記事

アンチグリーンダムな人々

 フィルタリングソフト「緑覇(※1)(英名グリーンダム)」。各種メディアで、諸外国からも中国国内のヘビーユーザーからも顰蹙を買い、ブラックジョークで皮肉られたことが報じられている。(筆者が書いただけでも、この記事とかこの記事とかこの記事とか。グリーダムで検索すれば、そりゃもういろいろと。)

※1 正確には土へんに覇

 中には、グリーンダムを推奨した中国政府に牙をむく(命知らずな?)ネット利用者も出てきて、そうした人たちの書き込みは、百度中国あたりで「反緑覇(※1)」で検索するとあれこれ出てくる。ただそのサイトを見ようとしても「サイトはありません」となるわけだが、そこで百度の検索結果のキャッシュを見ると、しっかり中国政府への不満の書き込みが連なっている。

 ただ、これが中国の若者の怒りだ!とかいうのは先走りの感があるように個人的に感じる。なんせ怒りの矛先が決まったら、過去にも怒りの矛先の日本に対し「沖縄独立!」とか、怒りの矛先のフランスに対し「ジャンヌダルクは売春婦、ナポレオンは変質者」とかプラカードを掲げてあるいた前例が過去1年くらいにあっただけに、「中国政府ムカついた。とりあえず悪口の材料並べ立てて罵る!」という人が混じってるんじゃないかと思うのだ。ともかく、これをどう捉えるか、これをどう解釈するかは、読者に委ねたい。


 

マザボ「ネットカフェ1号」


 BIOSTARが中国向けに「ネットカフェ(網巴)1号」をリリースした。BIOSTAR中国はネットカフェ専用製品のみを紹介する特設サイトも解説。栄えある1発目の「ネットカフェ1号」のチップセットはチップセットはAMD 770 + SB710。

 ASCIIの方に調べていただいたところ

 「ネットカフェ専用というけれど、特に、目新しい機能や独自機能はなく、サウンドチップもRealtek製だし、出力インターフェイスも平凡。盗難防止機能とかあるのかと思えば、そんなの見当たらないし……。

 そもそもチップセットが「AMD 770」。これ古いっていうか、AMD700シリーズで最安グレードです。
おそらく、大量にPCを導入しなければならないネカフェ用に安価なマザーをリリースしただけだと思います。

 コンシューマーじゃ、誰もこれは買いませんね。もう数千円出せば上のグレードのマザー買えますから。」

 とのこと。まぁ中国じゃ1元でも削って、できるだけそこそこ安くて集客できるPCを作りたいから、結構安くて最新というだけでニーズはあるかもしれない。ネットカフェにユーザーが依存している国、市場なら結構いけそうかも。

 この製品・シリーズの数ヵ月後、1年後の中国市場での戦績が気になるところだ。

PCが使えるようになった中国のばあちゃん

 中国でも夏休みシーズン到来。他誌になるが、筆者のITMediaでの連載の記事「中国のじいちゃんとばあちゃんがPCを学ぶ」で、老年大学の様子をレポートしたが、そこで勉強したおばあちゃんが受講したPC入門コースを終了した。で、今使いこなしているのか、見に行ってみた。

 写真はダメとのことで、そこは申し訳ないのだが、何をやっているのか見てみれば、ニュースを見て、知りたい情報を検索し、ゲームをしており、それが最近の退職後の日常となっている。PCが学べたことに満足している様子。

 で、何を検索しているのかといえば、気になるニュース、例えば先日の(中国での)皆既日食とか、あとは見たいドラマを検索してタダ見とか、そういったことでPCとにらめっこしているのだそうだ。海賊版の可能性も高いわけだが、たしか老年大学のPC入門コースの教科書にはENIACのことは書いてあっても、「海賊版はいけないよ、気をつけようね」みたいなことは微塵も書いてなかったな。

韓国メーカーのテレビ映像サンプルが韓国をアピール

タイの首都バンコクでの話。

 現地の電器屋巡りをしていたときにふと気づいた。日系メーカーや、フィリップスなどは、液晶テレビのサンプル映像に、フレッシュな野菜や、プールと美女、アジアンビューティなどの映像を次々に出しているが、サムスンやLGは韓国のアイドルグループの映像をサンプル映像として出している。

 勘ぐりすぎかもしれないが、韓国アピール・韓国キャンペーンをさりげなくやっているんじゃなかろうか。


 そういや中国では中国の液晶テレビのサンプル映像に、EVDの映像サンプルを使ってたな。隅のほうにEVDのロゴがあった。

機内誌で見える中国3Gの現状

 中国の3Gは3つ方式があって、それは日本でのお馴染みのNTTドコモやソフトバンクモバイルが採用するW-CDMA(キャリアは中国聯通(チャイナユニコム))とauが採用するCDMA 2000(キャリアは中国電信(チャイナテレコム))、それに中国オリジナル(とはいっても多くの外国の特許の上に少々の独自特許を付加した)のTD-SCDMA(キャリアは中国移動(チャイナモバイル))となる。

 バス停とか、バス内のテレビとか、巨大看板とか、いろんな広告スペースで3社ともアピール合戦をしている。その中でも一般庶民ではまず利用のない飛行機の機内誌を見ると、W-CDMAの中国聯通と、CDMA 2000の中国電信のみが広告を出していて面白い。

 すなわち、外国産の高級そうなW-CDMAとCDMA 2000は、機内誌に広告を打ち出す価値のあるものであり、中国産の中国の人々にも高級そうにみえない庶民派の3GことTD-SCDMAは、機内誌に広告を出すだけ無駄なわけだ。

 強引な解釈と読めるかもしれないが、実際中国市場ではそうなのだ。だからこそTD-SCDMAの広告がなくて「やっぱりなあ。。。」と思うわけだ。各都市の繁華街では、地方都市ではなおさらのことTD-SCDMAの広告はよく出ている。決してTD-SCDMAが失速しているということじゃあない。
 
 
 
中国南方航空の機内誌

 
中国聯通のW-CDMAの広告

中国電信のCDMA 2000の広告

 で、機内誌にTD-SCDMAの広告はなし。 
  
 
 
中国東方航空の機内誌

 やはり機内誌にTD-SCDMAの広告は無し。

北京国際技術博覧会最終日レポ

 今更ながら、5月に北京で開催された「第12回北京国際技術博覧会」というイベントを紹介したい。

 開催最終日に、このイベントの存在に気づき、最終入場が夕方頃だったので、午後イチで行ってみた。

 内容自体は、レノボをはじめとしたIT企業に、ハイアールをはじめとした家電企業、それに中国独自開発技術製品をアピールする企業、自称「中国のシリコンバレー」を自認する地方自治体、政府技術開発機関がブースを設け、中国の最新製品と最新技術が見られる展示会である。

 まだまだ入場者が続々と入っていく中、見ての通り早くも撤収するブースがほとんど。台湾ブースだけは、イベントをやっていて来場者がそこに集中していた。このイベントに限った話じゃないけれど、無名なイベントほど最終日の撤収ムードがあるんだよね。

 ただこうしたイベントは何も収穫がないかというとそうでもなく、最新の製品が写真撮り放題というのはありがたい。日本の家電量販店同様、販売店内での製品の写真撮影は御法度であることはもちろんのこと、販売店で製品をいじろうものなら、販売担当者から日本人からすればしつこいと思うほど、商品の勧誘をうけるからゆっくり見ることが出来ないのだ。そんなわけでこうしたイベントは貴重であり、中華な製品に興味があってこうしたイベントに行けそうならば是非行くべきなのだ。

 もちろん撤収ムードのないころのイベントが見られればそれにこしたことはないのだが。。。

中国正規版CDはうつり変わりが早い

 遠方に出るので、そこの知人の外国人に何かお土産をあげようと、筆者の滞在する中国の都市の「新華書店」という書店チェーンに行き、正規版の邦楽CDを購入しに行った(正規版CD・DVDを売っているのは新華書店くらいなのだ)。日本語を勉強していて、日本に興味のある外国人ということで「宇多田ヒカルあたりのPVが入った正規版DVDでも買えばいいか、前見たことあるし」と買いにいくも、すでに宇多田ヒカルのCD・DVDはなくなっていた。

 その新華書店は、その都市では最大の書店だが、外国語のCD・DVDの棚が限られているのはもちろんのこと、中国のポップの棚もまた少ないため、中国ポップのCD・DVDすら入れ替わりが激しい。過去の曲が気に入ったからといって、(広告配信などの)合法的なmp3ファイルをmp3クオリティでダウンロードできようと、正規版のCDは買うことはもはや、Amazon中国で買うくらいしか方法はない。

 買う人がいないから、売り場も限定しているのだが、売り場が限定しているから、在庫のCD・DVDも非常に少ない。ニワトリが先か、タマゴが先か。日本でパソコンソフトの海賊版利用率が高かったDOS時代だって、秋葉原や池袋ビックカメラとかで正規版は多数売られていた。昔の日本と中国とは状況が違う。海賊版解決はそう簡単ではない。


たとえ新華書店だって海賊版も混ざって売っているのが厄介。

新疆ウイグル自治区・ウルムチでの一件、さて困った


 今ウルムチを通らないと移動が面倒なところに取材旅行している。暴動とは無縁のところにいるが、ウルムチを通らない、別の帰る方法を考えねばならず困った。さてどうしたもんかな。

 とりあえずウルムチ・ウイグル自治区の電脳街の記事もついでに取材を考えていたが、安全を考えて、今回は没(ボツ)だ。残念。

内陸の省都では液晶テレビに売り場は完全移行

 「ウォルマート」や「カルフール」などの大型スーパーや、「蘇寧電器」「国美電器」などの家電量販店では、少し前まで上海とか、沿岸部でしか、「売り場で薄型テレビしか売っていない(ブラウン管テレビは売っていない)」という状況だった。

 先日、内陸のさほどリッチでもない省都のカルフールにいってみたら、テレビ売り場で売られているものは、すべて液晶テレビになっていて驚いた。しかもテレビ売り場が拡張していて2度驚いた。少し前はブラウン管テレビも売っていたのに。

 これは、カルフールで買い物するような消費者(都市住民)は、「テレビを買うなら液晶テレビ」なんだろう。白物家電の売り場は変わってないから「家電を買い換えるなら液晶テレビ」なんだろう。


以旧換新キャンペーンをテレビメーカー主導で行っているのも、テレビ市場が元気そうに見える要因のひとつだろう。

Windows7は中国でさらに激安価格

 Windows7中国版は、「ソフトが高いから海賊版を使うんだ。何が悪い!?」という言い訳が横行する国情柄、Windows VistaやWindows XPと同様に、どの国のものよりも安くなりそうだ。

 中国最大のポータルサイト「新浪(Sina)」のニュース記事によれば、マイクロソフトのスタッフから、中国向けに最も安いバージョンのWindows7を399元で販売するという情報を得たという。399元は中国ではWindows XP Home Editionと同じ価格だ。

 399元は1元=14円で換算するとだいたい5600円。日本のアップグレード版は7777円という特別価格で提供されたが、それよりも安い。とりあえず1本アマゾン中国で買ってみようと思う。でも買ったらWindows Vista購入時のようになりそうで怖い。

激安の”正規版”Windows Vista購入記
これなら海賊版の方がまし?中国でのソフトサポート事情


 アキバと違って、中国では深夜発売イベントがあるわけもなく、過去にもなく。それだけが残念だ。

グリーンダム娘(緑バ娘)の同人ビジュアルノベルが出来てた。

 今日から開始される(はずの)中国のフィルタリングソフト強制インストール。これにヘビーユーザーは、皮肉たっぷりの萌え絵で対抗したが、今度はその萌え絵を使ったビジュアルノベルが登場した。

 ダウンロードは「緑バ娘 同人遊戯」で検索して探してくれ。ファイルは中国オンラインソフトのお約束でrarで固められているので、rarのアーカイバを忘れずに。


 
 
 
画面下にウサギがいるわけは、グリーンダムのメインメニュー画面にあり。
 

 
 
 触ってみるなら、Unicode対応ではないプログラムの言語を中国語(簡体字)にすればOK。[コントロールパネル]→[地域と言語のオプション]から。

doujin2009075.JPG
 
 しかし日本の影響をものすごくうけてるなあ。

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山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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