中国リアルIT事情

2008年ネット通販日中市場規模比較

 ぶっちゃけいえば、日経IT+PLUSで連載する肖宇生氏のコラム「急成長ネット通販は中国ウェブビジネスの大本命」に違和感を感じたという理由で、自分なりに2008年のオンラインショッピングサイトの市場規模比較をしてみる。
  
  
  
 肖宇生氏の記事を引用すれば、

 2008年の中国ネット通販市場の伸び率は前年比で130%増を記録し、1300億元(約1兆9500億円)に達した。2009年も80%増の2380億元(約3兆5700億円)と高成長が続くという予測もあり、日本市場(2008年にパソコンとモバイル計で約2兆5000億円)を逆転するのも時間の問題といっていいだろう。
  
  
  
 と書いてある。中国のネット通販市場の「1300億元(約1兆9500億円)」というのは、例えば中国のリサーチ会社の「易観国際」の2009年3月10日に発表した、2008年ネット通販についての数字は1220億元となっており、確かに数値は誤差みたいなものだろう。違うリサーチ会社だったら1300億元(約1兆9500億円)と書いてあるかも知れないし。

 で、大事なのは、ネット通販市場の定義をC2C(日本で言えば、たとえば楽天やアマゾン)とB2C(たとえばヤフーオークション)と足し算したものが1300億元くらいだ、としていること。これポイント。
 
 
 
 一方肖宇生氏のいう日本の2兆5000億元規模というのは、富士経済の12月25日発表のレポートでは、インターネットショッピング市場が2兆1753億円、モバイルショッピング市場が3165億円なんで、合わせて約2兆5000億円となるので、このレポートを引用しているのだろう。
 

 
 で、このレポートを読む限り、日本の2兆5000億円というのは、ヤフーオークションなどのC2Cを含まないんですよ。これ重要。
 
 
 
 ちなみにNRI(野村総研)の2008年12月17日発表の2008年の調査結果を見ると、
 

 
 これによれば、B2Cが6兆2255億円、インターネットオークション(C2C)が1兆503億円となっているので、合わせると7兆3000億円弱となる。これだと、B2CとC2Cの足した数字が出て、B2CとC2Cを足した1300億元(約1兆9500億円)規模の中国ネットショッピング市場と比べっこができる。
 
 
 
 とはいえ、なぜに日本のB2C市場について、富士経済(2兆5000億円)と野村総研(6兆2255億円)の数字がどえらい違うのか。ヒントは、経済産業省の統計にある。ちょいと古いが平成18年の調査結果を見てみると。

 デジタルコンテンツの合法有料ダウンロードの市場規模がでかいんですな。恐らく目に見えるモノの販売だけを数字に出したのが富士経済で、デジタルコンテンツも入れたのが野村総研なのかなと。
 
  
 
 とにかく、日本のオンラインショッピング市場規模を数字の少ない富士経済ベースで考えるにしても、中国のB2C+C2Cの1300億元(約1兆9500億円)市場と比べっこするのだから、日本のB2C+C2C=2兆5000億円(富士経済)+1兆503億円(野村総研)で3兆5000億円と試算しなければ、おかしいよね。
 
 
 2008年の中国ネット通販市場の伸び率は前年比で130%増を記録し、1300億元(約1兆9500億円)に達した。2009年も80%増の2380億元(約3兆5700億円)と高成長が続くという予測もあり、日本市場(2008年にパソコンとモバイル計で約2兆5000億円)を逆転するのも時間の問題といっていいだろう。
 
 
 ちょっと中国を高評価しすぎな記事かなと。

 文章長すぎでサーセン。

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プロフィール

山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。著書に「新しい中国人」。

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