中国リアルIT事情

2009年02月 の記事

中国国営テレビ「CCTV」で海賊版を配信?

 中国国営テレビ「CCTV」でどうも海賊版を配信しているようだ。正確にはテレビでなく、同社の無料VODのWEBサイトであるが。

 疑惑のサイトはCCTVのサイト配下の「動画社区」

cctv200902-1.jpg

 同サイトの下のほうを見ると、なんだか見たことのある絵が並んでいる。

 たとえばその中の、いかにも「中国のアニメ産業推進の下に作られた中華アニメですよ」な感じの絵をクリックしてみると、そこで再生される動画の左上に「CCTV小児」右上に「CCTV」のロゴが出る。

 一方で、日本でもお馴染みのアニメの絵をクリックして、動画を再生すると、動画には「CCTV」ではなく、「優酷(YOUKU)」と書かれている。

 メニューに戻り、絵の一覧の少し上のテキストの部分を見ると、中国語を読める人ならすぐにわかるのだが、「CCTV」ロゴのあるアニメ(たとえば「ハウルの動く城」)もあるが、「CCTV」ロゴのないアニメ(たとえば「スラムダンク」)があるのがわかる。仮に海賊版配信だったとすれば、中国国営テレビCCTVは、正規版の中に海賊版を忍ばせておればバレないから、海賊版を配信しても大丈夫と算段したのだろうか。

 以前紹介したAmazon中国での海賊版販売も酷いが、中国のNHKことCCTVでもまた海賊版配信であれば、中国では大企業ですら海賊版配信は怪しめってことでしょうねえ。

《追記》いつの間にか海賊版コンテンツは消えていた。CCTVの人、見てました?

消費者の金融危機の影響

 中国で著名なIT系ニュースサイト「中関村在線」が「金融危機で液晶テレビ購入の状況が変わったか?」というアンケートをとった。対象は同サイトの利用者。その回答が興味深い。

この12ヶ月で家庭の収入に変化はあったか?
増えた 36.4%   変わらず 33.2%   減少30.4%

enquete200902_1.jpg

この12ヶ月で購入予定の液晶テレビの予算は?
増えた 31.9%   変わらず 52.8%   減った 15.3%

enquete200902_2.jpg

これからの12ヶ月で家庭の収入に変化はあるか?
変わらない 58.8%   増える 32.9%   減少する 8.3%
enquete200902_3.jpg


これからの12ヶ月で購入する液晶テレビの予算は?
増える 31.9%   変わらない 52.8%   減る 15.3%

enquete200902_4.jpg

 なんとも慎重な日本人と異なり、よい意味でも楽天的な中国人だ。ただ実際のところ、楽天的なのもそうだが、回答者当人に金融危機の影響はまだないのだろう。中国のインターネット利用者の主役は10代から30代半ばの若い世代であり、またその多くが月収2万円に満たない。そうした人々は、外国とは縁のない(外資系企業や外資系企業に委託された工場)とは無縁のところにあり、公務員、準公務員が多く働く地域でのほほんとしているのかもしれない。まだまだ中国は成長率はプラス一桁であり、給料もプラスになって当然、予算を少しくらいオーバーしても大丈夫くらいに思っているのだろう。

 とにかく中国の一般的な消費者への金融危機の影響なんてこんなものである、と筆者も思う。

中国の動画共有サイト、YOUKUが1億人超えでNo1

 中国のリサーチ会社「易観国際(Analysys International)」は、中国の動画共有サイトの利用者数の最新統計を発表。

 それによれば各動画共有サイトの利用者数は、「YOUKU(優酷網)」が唯一の1億人超えとなる1億1500万人でトップ。ランキングは以下に。

優酷(YOUKU) 1億1500万人
土豆 9560万人
酷6網 9000万人
PPSTREAM 4990万人
PPLIVE 4570万人
QQLIVE 4110万人
UUSEE 3890万人
新浪視頻 3290万人
捜狐視頻 2200万人
六間房 1090万人

 日本でもグレーなサービスが好きな人々に人気だったYOUKU(優酷)が1億人超えとなったのはニュースなのだが、他に気になったことは、日本からのアクセスが封鎖されたYOUKU(優酷)と土豆がトップ2であること、それに六間房が随分と人気が下がったこと。ちょっと前はYOUKU、土豆、酷6と並んで4天王的存在だったのだが、金融危機の影響をモロに受けて、六間房の金銭的支援元だった米国投資会社が撤退しちゃって、ボロボロになってしまった経緯がある。

 中国では、億のオーダーで動画共有サイトのコンテンツが視られているのだ。

<参考>動画共有サイト市場規模の推移

中華な電脳街の朝

 上海の電脳街の開店時の様子を見に行った。

 朝の開店前の電脳街は、何かのビッグネームな商品の発売日か、はたまた開店前のパチンコ屋の前のごとく、人で賑わってた。そんなに電脳街って、超特価品って販売してたか?と疑問をもちつつ、筆者も開店を待つ。

電脳ビルのひとつ「美羅城」。

電脳ビルのひとつ「太平洋数碼Ⅱ期」

太平洋数碼Ⅱ期の前にいると、突然ドアが開いて、人民が中に入っていくので筆者も流れにまかせてついていってみる。

エスカレーターも、普段の電脳街では見られないほどの高密度。

実は待ってた人々はショップ店員の人々だった。スタッフも開店時まで待たされるのだ。

中華Google Earthを作る理由

 中国政府国家測絵局がGoogle Earthにそっくりを公認する中華Google Earthを作ることを発表したが、中国メディアから中華Google Earthを作る理由が報じられた。その理由は軍事機密上の問題とかいったものではなく、非常に簡単なものだった。それは
 
 「欧米日本などの都市と比べ、中国の都市の解像度が低いから」
 
 …なんだそうだ。中国をウォッチしつづけると常々感じるある種のコンプレックスをこの理由からも感じるのだが、しかしそれは表面的な建前であり、やっぱり大事な施設が見えないのかもしれない。ひょっとしたらこれが完成したら本家Google Earthにアクセスできなくなったりして。なんて勝手な憶測を書いてみる。


日本・東京・新宿近辺


中国・上海・浦東新区東方明珠塔

中国でMacがちょっと気になる存在?

 Amazon中国のパソコン関連商品注目ランキング売上ランキングじゃないよ)で、MacBookが結構人気だ。

 また中国のポータルサイト「網易(NetEase)」での「主流OS対決」という質問では、Windows XPではなく、ましてやWindows Vistaでもなく、なんとなんとMAC OSXが一位という個人的には超意外な結果に。

OS_VS200902_1.jpg

 いや、「超意外」といったのは中国でMacがアンケートやランキングで出てくるのは今までみたことがなかったので。中国でMacユーザーが口コミなどでじわりじわりと増えてっているのかもしれない。統計があれば紹介したい。
 

中国政府、アニメ業界を減税で応援

 今年1月1日から「動漫(アニメ)企業認定管理方法」という政策が実施された。要はアニメ制作による収入が会社全体の収入の半数を占めるような、アニメ制作が主な企業に対し、3%の減税措置を行うという政策である。中国政府の文化部、財政部、国家税務総局が主体となって制定、国がアニメ制作企業を多少バックアップしているのだ。日本の事情は個人的には他のニュースを知るのみなのであんまり偉そうなことはいえないが、現場は薄給らしいし、マンガオタクな首相もこういう部分は見習った方がいいんじゃないかと思う。

中国の自作PCユーザーの金融危機への影響は?

 金融危機がどう中国市場に影響しているか、興味がある人は多いとは思うが、当記事では筆者が見つけた表題の通り、PCユーザーへの影響について書いた統計を紹介しよう。ソースは中国ナンバー1のポータルサイト「太平洋電脳網」のこちらのページ

Q.経済危機下でいつPCを組むか
・短期内 21.92%
・価格が落ち着いてから 21.92%
・今のところ考慮しない 18.36%
・春節の商戦期期間 17.53%
・経済が上向きになってから 12.33%
・入学、新学期 7.95%

Q.どこのパーツのスペックを下げてもよい?(逆に言えば、数字の小さいものほど妥協したくない箇所といえる)
・外設(主にマウスやキーボードを指す) 27.73%
・モニター 20.70%
・ビデオカード 16.80%
・CPU 10.42%
・ハードディスク 10.03%
・マザーボード 9.38%
・メモリー 4.95%

Q.自作プラットフォームは何を選ぶ?
AMD 52.33%(メーカー製PCだと苦戦だけど自作では善戦)
インテル 46.58%
その他 1.1%(VIAは安いけれど人気ないのね…)

Q.チップセットはどのメーカーのを選ぶ?
インテル 48.22%
AMD 38.90%
nVIDIA 12.88%

Q.自作で最も力を入れるパーツは?
CPU 34.52%
マザーボード 29.59%
ビデオカード 26.85%
モニター 3.56%
ハードディスク 2.47%(ハードディスクを重視する人は少ない!)
メモリー 1.64%
キーボード/マウス 1.37%

Q.自作する上で考慮すること
性能 45.48%
品質 29.86%
価格 20.27%(安ければいい、というわけではないのだ)
販売店の信頼 3.56%(中国では自作はほぼショップブランドとイコール)
その他 0.82%

Q.ビデオ機能はオンボードのプラットフォームを選ぶ?
オンボードでないプラットフォーム 53.42%
オンボードのプラットフォーム 29.32%
考慮しない。使えればそれでいい 17.26%

値段はいくらくらいで自作を考える?
2500~3500元(35000~49000円) 38.08%
3500~4500元(49000~63000円) 24.11%
2500元以下(35000円以下) 16.16%
4500~5500元(63000~77000円) 11.51%
5000元以上(70000円以上) 10.14%

 「安ければなんでもいい」という中国人消費者は少数派で、所得の割にPCのパーツ構成にこだわりがある。その一方で、長く使うキーボードやマウスやモニターは重視されていないようだ。また「動画は貯めずにオンラインコンテンツや安価な海賊版DVDで視聴」のスタイルからHDDの容量を気にしていないことも興味深い。

 こういう記事掲載でよく聞かれるのは「母集団ってどうなのよ?」という質問。このリサーチに関してはサイトの読者対象なんだけれど、サイトの読者=インターネット利用者は、実は結構金を持っていそうで持っていない。農村部住民より金持ちな都市住民が大半とはいえ、大半がその都市の平均所得を下回っている。具体的には月収2万円いかないような、そんな人たちの心理ととらえてもらえれば。

ニッセンのサイト「日本の窓」、百度に登場

 ニッセンが百度と組み、百度でニッセンの商品を販売するというニュースがあったが、そのサイト「日本の窓(日本之窓)」が登場した。そのサイトは百度中国のトップページより、Googleでいうところの「サービス一覧」をクリック。

 ポイントとしては、「シンプルながら百度らしいために違和感のないサイトデザイン」「日本=桜のイメージが中国人には強いことから、桜をトップページに出すことで、わかりやすく日本関連サイトであることをアピール」「日本直送。しかも5000円相当の購入で送料無料」というところ。中国人消費者にこれらは結構グッとくる。

 ところが日本からアクセスしてみると、、、

nissen200902_4.jpg

 ちょっと「そりゃあない」な感。
 
 
 
 個人的にはそれなりに結果が出るんじゃないかと思うが、その根拠は来月の日本郵便のフォーラムでの講演があるので、それが終わって落ち着いてからでもゆっくり書こうかと思う。

中国検索市場、百度がシェア6割強

 昨年の中国検索市場について、中国のリサーチ会社「易観国際(Analysys International)」がその調査結果を発表した。中国株バブルが金融危機どころか北京五輪開始前に既にはじけ、不動産も主要都市で下がったにも関わらず、右肩あがりとなっている。

 シェアでは百度が相変わらず強い。百度の評判が年末ずいぶん悪かったものの、それでもシェア6割強を維持(2位の谷歌はグーグル。3位の雅虎はヤフー)。年末の百度の評判の悪さが今年まで引きずるようだったら、今年のシェアは少なくなるが果たして。ただ個人的には中国における悪いニュースは日本よりもずっと、さっと人々の脳裏から流れてしまうように思えるので、あんまり影響はないんじゃないかなと。

 ちなみに、下はポータルサイトの網易(NetEase)のアンケート。「ひとつの検索サイトだけを利用しているか?」という質問のイエスノーだ。ひとつの検索サイトだけを利用する人と、そうでない人の割合はほぼ一対一となっている。


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プロフィール

山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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