中国リアルIT事情

2008年09月 の記事

イベントに行きます

 ハッカージャパン誌に執筆している筆者が、ちょうど日本にいるので、ハッカージャパン10周年記念イベントにお邪魔します。

 詳細はこちらにて

 とりあえず、なんか胡散臭い中華ガジェット持っていく予定。山谷ってどんな奴だ?山谷に一言物申す!など筆者のことが気になったことのある人はぜひ。

もうちょっと調べてまとめたほうが。

 筆者の連載の記事「ものを考えない、中国のインターネット世代「憤青」」で、中国のインターネット利用者は、日本と比べてWEB2.0的ツールを活用できていないことを紹介した。

 筆者は日本人として(むしろ中国人からいうところの外国人として)Wikipediaを見ているからこそ、中国の百科事典サービス、いやそのコンテンツに「ほんとにそれでいいのかよ」的な感想を持ってならない。(一応書いとくけど、日本がいい、中国が悪いっていう”0か1かどちらか”ではなく、度合いってことね)

 筆者も中国の様々な事情を勉強する際、百度百科をはじめとした中国の百科事典サービスのページにたどり着くことが多々あるが、その記事を見るたびにがっかりすることはしばしば。

 その理由のひとつとして、どっかからのコピペで自分の言葉で簡潔にまとまってないことが気持ち悪いということだが、それとは別に「検証しない」というか「やっつけ仕事」というか、そういった理由もある。

 ちょっと話が漠然としているので、百度百科の東京の項目を見てみよう。リンクも用意したが、リンクしたくない読者もいるだろうから、一部の画面をここで見せる。東京についての項目その2の「行政区画」の紹介。

続き。

 いわずもがなだけど、東京の行政区画ってあきる野市と江戸川区と国立市と小平市からだけでできているわけではなくて。


 ところで冒頭で紹介した「ものを考えない、中国のインターネット世代「憤青」」で、多くの読者が「中国の言論規制があるからじゃね?」という疑問を持ったようだ。すまない、これ、完全に抜けていた。

 結論でいえば、「中国の言論規制はあんま関係ない」というのが見解。たとえば最近日本では毒米が話題になっているが、中国では毒粉ミルクが話題になっていて、日本では太田(元)農水相が辞任したのを受け、中国のネットでも「中国中央政府のトップおろし」に結びついたし。(ググる

 その件については、もうちょっと次回の連載記事で深く考えてみたい。

海賊版の話題に食いつく中国ネチズン

 大手ポータルサイト「網易」で、「もしWindowsが購入したPCにプリインストールされていなければ、海賊版を入れるか」というアンケートがあった。その結果がこれだ。(質問回答とも意訳)

copy_software080901.jpg

1.もちろん入れる。海賊版のほうがよくて、お金をセーブできる。(18516票、91.44%)
2.正規版を支持する。著作権を保護しなきゃ。(434票、2.14%)
3.Windowsは入れない。別のOSを入れる。(1299票。6.42%)

copy_software080902.jpg

 こうした「あなたは海賊版を入れますか?」という質問のアンケートは、他のアンケートに比べて回答数が飛びぬけて多いのだ。このアンケート自体、読者に対する任意回答のアンケートであり、いかに自信満々で「海賊版を入れます!」宣言する人が多いのかがわかるというもの。


 中国の海賊版事情って、最近筆者が書いたものでは、こんな記事とかこんな記事とか、もう根っこが深くて、そんじょそこらじゃ直りそうにない。

ソニエリ中国で苦戦?

 中国のリサーチ会社「易観国際(Analysys International)」が2008年第2四半期の携帯電話の市場シェアを発表した。(ソース。要会員登録)

 シェアは上位より、ノキア、サムスン、モトローラ、天宇、レノボ、ソニーエリクソン、LGと続く。ノキア、モトローラ、サムスン、ソニーエリクソンが中国の4強という認識は持っているが、ずいぶんとソニーエリクソンは今期苦戦している様子。

 この四半期での出荷台数は3595万台(山寨機除く)。山寨機の最近の浸透っぷりは無視できず、この「山寨機を除く」ってのがすごく気になるところ。天宇も山寨機出身のメーカーだし。

ノンブランドUSBメモリ、恐れられる

 中国でUSBメモリは日本よりもずっと早く普及・浸透し、日本よりもずっと早くフロッピーレスが一般的になっていた。USBメモリは、大雑把に言えば、メモリコントローラーやメモリをつけてガワをかぶせれば一丁あがりなので、中国では様々なデザインのノンブランドなUSBメモリが出回っていた。

 ところで最近、(GSMの)携帯電話すらも簡単に組み立てられるようになったため、ノンブランドケータイこと「山寨機」が登場し、中国のIT業界でちょっとしたブームとなった。当初は「山寨機=ノンブランドケータイ」という定義でメディアは山寨機という言葉を使っていたが、次第に「山寨機=ノンブランド製品」に置き換わっていったように思う。

 そんなわけで、旧来あったノンブランドのUSBメモリも、山寨機のUSBメモリと呼ばれるようになり、ここ最近になって、いまさらながらニュースで、ノンブランドのUSBメモリについて紹介されるようになった。

 そのニュースとは、「山寨機USBメモリはすぐデータが吹っ飛ぶから買わないように」といったものや「(ある都市の)電脳街市場から山寨機USBメモリの掃討作戦を実施」といったもの(昔からあったので何をいまさらと思うが)。また「中国市場に並んでいるUSBメモリの6割はニセモノ」、つまりは元をたどればノンブランドのメーカーがガワだけ模したもの、というニュースもある。

 中国に駐在する日本の方、旅行に行く日本の方、出張に行く日本の方は中国でUSBメモリを買おうなんて思わず、とりあえず近所の量販店で安全安心な日本で発売されているUSBメモリを買っておこう。ニセモノホンモノの区別は(いい意味で)温室育ちの日本人にはわかるわけがないのだから、リスキーなことは避けたほうがいい。

本「新しい中国人」が発売しました

本日「新しい中国人 ネットで団結する若者たち(ソフトバンク新書)」が発売された。この本の特徴は上記リンクにも書いてあるが、筆者から追記して書けば

・インターネット利用者の中国人の行動パターンがわかる
・中国IT事情がわかる
・日本人が日本人視点で書いている

というのがあげられる。ぜひとも書店で手に取っていただきたい。


Amazon
楽天
セブンアンドワイ

中秋節に月餅ゲーム

 中国では中秋節がやってきて、会社の上司や、関係会社にお歳暮(のようなもの)に油でもビールでもなく、月餅を送る季節がやってきた。この時期のちょっと前になると、スーパーには高級そうな箱に入った月餅が売られ、郵便局ではそうした箱を中国の何処かの知人友人に送ろうとする人でごった返す。風習を日本人以上に大切にする中国人にとって中秋節は一大イベントなのだ。

 そんな中国では中秋月なこの頃に、「月餅ゲームが出ているよ」という内容のニュースを聞いて早速チェックしてみた。

Flashゲームだ。いくつかのサイトで公開されているが、安全そうなサイトで、老舗ポータルサイト新浪(Sina)のサイト内のページをリンクしておく。

1.練る。クリックしたままひたすら上下に動かす。

2.卵をいれる。ねずみがたまごを投げたらタイミングよくたまごの上でクリックして割る。

3.焦げすぎない程度にオーブンの中で暖める。ある程度時間を待ってクリック。

4.うまくいかなきゃ「まずい…」となる。(何度やってもうまくいかん)

5.で、最後に「中秋節おめでとうございます」で〆

 このFLASHゲームを提供したのは、教育用ソフトウェアをつくっているソフトウェアベンダー。こうした形で、ゲーム好きで風習を重んじる中国の若者に対し会社をPRしているのだ。

中国でもノートPCは低価格化?

 前回の記事に続き、中国でのノートPCの低価格化に関する話。中国の大手ITニュースサイト「中関村在線」のリサーチページで、8月のノートPCの注目度に関するレポートを発表、そこでノートPCの注目度について値段別でカテゴライズしたらどうなるのっていう調査を行っている。

 これを見ると、最も安い価格帯の6000元以下(約95000円以下)が最も人気となっている。10万円以下のノートPCが人気というのは、さほど不思議な話ではない。次に以下のグラフを見てみよう。

 これを見ると7月から8月までの1ヶ月で、6000元以下のノートパソコンの注目度が、49.2%から51.9%へと、2.7%ポイントあがっている。ではさらに遡るとどうなるか。それが次のグラフだ。

 これを見ると、低価格機種(6000元以下:30.1%)への注目がさらに低いことが伺える。2007年から2008年8月にかけて6000元以下の機種が30.1%から51.9%まで注目度があがっているのだ

 以前(といっても数年前だが)は中国においてノートPCは高嶺の花で、できるだけいいものを買おうと背伸びして買っていた風潮があった。しかし「ノートは安いもので構わない」と思う人が多くなったことが意味することは、中国においてノートPCは(主に都市部の)消費者にとって身近でパーソナルなものになってきている、といえるのかもしれない。

中国で約3万円の激安ノートPCが登場

 世界は(少なくとも先進国では)安価なミニノートPCが売れているが、中国の今はどうなのだろうか。以前当ブログの記事で、1999元(32000円弱)のデスクトップPCを紹介したが、ノートPCでこれを超える価格の製品が登場した。

 現在の最安値は1880元(1元=16円とすると、ほぼ3万円)のこちら。

スペックは以下の通りで
1880notepc-2.jpg
しかも6色用意。

 メーカーはMalata(万利達)というノートPCメーカーというよりは、売れそうなデジタルガジェットならなんでも作るといった趣の小さなメーカーで、中国においてもお世辞にも有名とはいい難い。筆者自身中国の電脳街でこの会社の製品を取り扱う代理店を見たことがない。だから中国に行って、これを買おうとするのは正直厳しいだろう(6色天板を用意するなどがんばっているが)。買うなら中国のオンラインショッピングサイト経由かな。

製品ページ

これはいいアイディアのマウス

 この前、あれやこれやパソコン関連のモノを買う用事があり、中国の某電脳街に向かうと面白いものを発見。


マウスとかを売っているパソコンアクセサリの小さなよろずや。


なにやら渋いマウスが。


思わず「忍」のデザインを衝動買い。


こんな感じの表面。

 面白い絵のマウスパッドは日本でも(例えばヨドバシカメラでも)売っているが、マウス自身に絵が描かれているのは意外とありそうでない。会社のPCにこれをつけたら、自己アピールできるんじゃないかなって思った。日本でもたとえば相田みつをの文章とかがマウスの上に書かれているマウスとか出れば、少しは売れそうかも。

 ちなみに値段はパッケージには79元と書いてあるが、20元(320円弱)で購入。

デジカメメーカーの愛国者、頑張ってるよ

 (中国唯一のデジカメメーカー)愛国者、中国全土で不人気の傾向と以前のエントリーで書いていながら、「そんなことたぁないよ」と言わんばかりの統計が中国のリサーチ会社賽迪顧問からリリースされた。その統計では、中国の上半期のメーカー別のデジカメ出荷量がまとめられている。

 この統計によれば、愛国者はメーカー別シェアで2%、メーカー別順位にして10位であり、このデータをして「中国産の愛国者が始めて中国メーカーとして10強の仲間入り」といったタイトルで中国の各ニュースサイトは紹介している。

ちなみに1位から見てみると
1.キヤノン(28.2%)
2.ソニー(21.7%)
3.サムスン(14.7%)
4.オリンパス(8.4%)
5.ニコン(8.2%)
6.コダック(7.2%)
7.パナソニック(2.9%)
8.富士フィルム(2.7%)
9.カシオ計算機(2.1%)
10.愛国者(2.0%)
その他(ペンタックスとかリコーとか三洋電機だろうか) 1.8%
となった。

ということで、愛国者は中国国内市場においてはペンタックスやリコー超えを果しているのだ。たかが2%、されど2%なのだ。

 で、このニュースがあったついで、老舗ポータルサイトの網易(ネットイース)は、(個人的にはやめりゃいいのにと思っているが)「デジタルカメラ、買うなら愛国者?それとも外国ブランド?」というアンケートを同サイト読者に対して行っている。

 出荷数のシェアで2%だから、アンケート結果も2:98になるだろう、と思ったら大間違い。こういった質問ではいつでも中国人の愛国心が出て、実販売数よりものすごく健闘した数字が結果として出るのである。

結果はこの通り。
aigo20080901-4.jpg
出荷台数に反して、愛国者対外国メーカーの購入意識調査の結果は64:36で愛国者の圧勝となっている。 日本人から見ればだが「そんなアンケートをやったら、後で後悔するからやめとけ」と思うわけで。

 最後になるが、肝心要の出荷台数の総数をば。総出荷台数は前年同期比31%増の494万900台、出荷額総額は同13.3%増の99億8800万元(約1600億円)であった。

 ちなみに日本はというと、CIPA統計によれば、2008年上半期(つまり6月までの累計)の日本向けデジカメの総出荷台数は、527万3254台なわけで、下手すりゃ来年の今頃には、中国市場と日本市場の勢力図がひっくり返りそうな予感。
 

ブルーレイが中国で結構売れてるらしい

 中国でソニーのブルーレイプレーヤーが発売されてから半年、それからパナソニックも中国でプレーヤーを販売し始めたが、中文版対応の正規版ブルーレイビデオが10本も発売されていないにもかかわらず、結構売れているようだ。

 中国のリサーチ会社AVCによれば、今年7月、DVDプレーヤーの販売額が伸びたのだが、その内訳を見ると、ハイビジョンテレビにつなげられるプレーヤーの販売額が大幅に伸びた反面、DVDレコーダーや普通のDVDプレーヤーの売れ行くは落ちているという。しかもその売れ行きの良いハイビジョン対応プレーヤーの販売量のうち、ブルーレイプレーヤーが占める割合が1割となっている。

 ハイビジョンテレビにつなげられる中国産のDVDプレーヤーが300~600元(5000円弱~1万円弱)程度、ブルーレイプレーヤーが5000元(約8万円)となっていて、値段としては10倍の差があるのだが、それにも関わらずそこそこ売れているというのは、ソニーやパナソニックの最新ハイテク製品をほしい、所持して自分のステータスをアピールしたい、という金持ちがそこそこいるということではないだろうか。

 上記はあくまでブルーレイプレーヤーの話であって、PS3やブルーレイドライブが搭載されているVAIOノートなどが加われば結構ブルーレイを持っている中国人消費者は多いのではないだろうか。特にPS3の数は馬鹿にならんのではないかと。

 最近中国の海賊版ビデオ屋に行ったときは、ブルーレイのパッケージそのままに中身はDVDという商品が陳列されていたが、今後海賊版ビデオ屋で正真正銘のブルーレイ用ソフトが出てくれば、ブルーレイは一気に普及するんじゃないだろうか。

ソニーのブルーレイ製品特設ページ

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山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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