中国リアルIT事情

月収の半分のビデオカードが買えるか?

 これは、4月7日発売の、中国でもっとも売れている紙媒体のIT雑誌「電脳報」の表紙だ。

 千元級なんとか~、と書いてあるのは、意訳すれば「1000元級ゲーム向けビデオカードの比較」ということで、これが今号におけるプッシュする記事なわけだ。

 実際記事を読むと、GeForce 8800GTや9600GT、それにRadeon3850や3870が載ったビデオカードのベンチマーク記事となっていた。「1000元級」とあったが、下は999元から上は1599元まであった。1元を15円とすると、15,000円~24,000円までの製品を紹介しているわけだ。それらビデオカードがどの程度のポジションなのかは「アキバで恥をかかないための最新パーツ事情【VGA編】」で。

 ところで、中国人の所得は高くはない。以下は、中国の学生などの非就業者を含めたインターネット利用者の月収だ。(ソースはCNNICによる2007年のインターネット利用者報告

 インターネット利用者の半数以上が月収2000元(3万円)以下なんですな。すると、半数以上のインターネット利用者からみれば、電脳報のベンチマーク特集記事で売られているビデオカードは、月収の半分、下手すれば月収以上するわけですな。

 日本人の感覚で置き換えてみると、たとえば40万円の月収の半分とすれば「20万円のビデオカードのベンチマーク特集」となるわけだ。

 そう考えれば「買える訳ないだろ、この特集のチョイスはおかしい!」と考えたくなるが、実際ビデオカード以上に値段の高いPC本体が結構売れているわけで(最近はノートPCも売れ始めた)、案外この特集のチョイスは、中国の消費者にかなったものといえる。というか雑誌作りのプロが読まないような記事をトップに持ってくるわけがないわけで。

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プロフィール

山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。著書に「新しい中国人」。

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