中国リアルIT事情

2008年04月 の記事

中国のモノづくりが日本のそれに迫るかも!と感じるWEBサービス

[E都市]

[都市圏]

これは見た目が斬新な、中国のクォータービューの地図サイトの「E都市」と「都市圏」。見ていただければわかるとおり、建物ひとつひとつがCGで描かれている。しかもおそらく手作業で。

 すごいなと思うのは、各建物建物を忠実に再現し手抜きがないこと。中国の建物は個々が個性をもたそうとしているがそれらを見事に再現している。工事中の区画や、工事がストップしている建物までも再現している。

都市圏のCG

 
上記のリアルの建物

 現在のところいくつかの省都クラスの大都市をサポートしている。都市によってまちまちだけれど、街の中心部が表示できる。

 こういう無駄なまでに精巧なこだわりというのは、日本製品の専売特許かと思ったが、このサイトもしかりなわけで、中国のモノづくりは「たいしたことはない」と一概に馬鹿にはできない。これでほとんどの大都市の地図をつくり、市街地全体をサポートし、地図を継続的にアップデートできたら中国のモノづくりスピリッツもたいしたもんだと思う。逆にそこで途中でギブアップしたら、中国のモノづくりの粘る力はその程度なんだね、と判断できる。つまりは企画倒れか、最後まで作り通すか、どの程度までがんばれるかで、中国のモノづくりに対する粘りというか踏ん張りというか頑張りがものさしとして計れるんじゃないかと思うのだ。

 筆者はこれら2サイトの今後をこれからも見守っていきたい。
 
 
 
 そんな斬新なサイトらがまとまって紹介された記事が、本日発売の週刊アスキーに掲載されている。中国だけじゃなく、世界の面白サイトをまとめているという。筆者は中国担当で、中国に今いるので確認する術はないが、興味があれば書店で手にとっていただければと思う。

中国3G、滑り出しは中国産が優勢

 4月1日より中国の北京など8都市でテストサービスが開始された、中国の3G「TD-SCDMA」、4月10日までの10日間でのTD-SCDMAケータイの売れっぷりは「上々」と中国のニュースは評価している。

 中国の調査機関「賽迪顧問」によると、4月10日までに、TD-SCDMAの携帯端末は1800台、データカードを200台販売した。その販売数2000台のメーカー別シェアでは、中国メーカーの中興(27.1%)がシェア1位で、以下サムスン(20.6%)、LG(19.6%)、中国の海信(12.5%)、レノボ(10.6%)、新郵通(9.7%)となった。

 で、調査のまとめとして「外国メーカー(というより韓国メーカー。サムスンとLGの和)よりも中国国産メーカーのほうがシェアが高かった」というオチになっているのだが、まあ今後どうなるかな。

 人気機種は中興のU980という機種がもっとも人気で、値段は3800元(約57,000円。1元=15円計算、以下同じ)。次がサムスンのL288(2800元:42,000円)、LGのKD876(2500元:37,500円)と続く。で、一番人気の中興のU980はこの10日間で495台売れたそうな。

 ちょっとレビューするには自腹じゃ高いよなあ。中国を代表する都市とかに住んでればいいんだろうけど、筆者の住んでいる場所は内陸の地方都市で、まだインフラないしなあ。

これは海外長期滞在にほしいストレージかも!

4in1_200804.jpg

 ASCII.jpで以前紹介した2.5インチIDE HDDを4台まで搭載可能な外付けHDDケース「ヨンコイチBOX2.5」(型番:CQC25U2。発売元はセンチュリー)、海外というか今(ある意味)旬な中国に長期滞在する筆者としては、ニュースをみただけでかなり欲しいと物欲が上昇。

 海外長期滞在において、個人的に必要だと思われるストレージの条件は
・海外に長くいるため、その間にデータが破損しないこと
・日本と海外を往復するため、軽くて小さいこと

で、過去にもバッファローやオウルテックが似たような製品を出していたが、買わなかった。唯一「100V電圧以外非対応」の原因が購入を躊躇する原因となったのだ。(関連記事

 そこで、今回も例によってセンチュリーにたずねてみた。「100V以外にも対応してます?」

センチュリーから答えをいただいた。
---------------
ご質問の件、商品添付のACアダプタはAC100~240V入力の
ユニバーサル仕様となっておりますが、
弊社としては、日本国内専用という形で販売しており、
日本国内AC100環境での動作試験しか行っていないという事と、
トラブル時の対応が出来ないという観点から、
海外およびAC100V以外での使用に関してはサポート外としております。
---------------

自己責任ながら、仕様としては海外でも使えるかもということ。

うーん、これは買ってみて、中国で動作チェックして、動けば本格的にこれ、利用するか。

中国でのパーツ人気傾向2007

 中国のIT系ポータルサイト「中関村在線」のリサーチサイトが、中国の消費者の自作PCパーツのメーカー人気についての調査結果を発表した。いくつかかいつまんで紹介する。

 ちなみに調査対象だが、同サイトの各製品の製品情報紹介ページにアクセスすればカウントされる。日本で言えば価格.comのランキングのシステムと思っていただければ。

1.CPU

Intelが53.9%、AMDが46.1%とAMDが健闘している。
中国本土から見れば中国製のVIAはゼロ。中国産RISC CPUはばら売りしていないのでゼロ。
 
 
 
2.GPU
 

 NVidia(67.4%)派のほうがATi(32.6%)を上回った。さすがに今の中国では、S3とかMATROXのは電脳街で見たことがない。
 
 
 
3.HDD

 人気順より、Seagate、HGST、WesternDigital、サムスンの順。ここには書いていないが、小容量が人気の傾向にある。ExcelStorという中国のHDDは今もひっそりと売られているが、中国の消費者にとって興味の対象外らしい。

月収数か月分のデスクトップPC

 前回の記事同様、中国のナンバー1の紙メディアのPC雑誌「電脳報」。この3月3日付けのトップで、
4000元クラスの学生向け自作PCを組む
というニュースが特集記事として前面に押し出された。4000元というと1元を15円とすると約6万円となる。

 その記事の内容は、4000元台で、AMDなりIntelなりのシステムを作るのに、どういうパーツがいくらかかるか、といったもの。お約束というか、正規版OS代は含まれていないのだが、それはおいといて。

 中国ではデスクトップPCは、2000元あればどうにか一式そろうし、この1999元PC(3万円PC)は特別だが、メーカー各社から2000元代PCは普通に発売されているわけで、このメディアの特集が紹介する4000元(6万円)PCというのは、結構贅沢な話といえよう。

 今回の記事でも前回の記事につづきまた出すが、上記の円グラフは中国インターネット利用者の月収だ。中国においては、学生のバイト代というのは日本と違ってきわめて低い。したがいPCを購入するのは親頼みとなる。その親をして4000元のPCは一般的な親の給料数か月分かかるわけだ。無茶なようだが、雑誌の特集で前面にピックアップされているのだから普通のことだろう。

 子供のために給料数か月分を払い、PCを購入する日本の読者はどれだけいるだろうか?どうやら中国ではそれができる親が結構多いようである。

月収の半分のビデオカードが買えるか?

 これは、4月7日発売の、中国でもっとも売れている紙媒体のIT雑誌「電脳報」の表紙だ。

 千元級なんとか~、と書いてあるのは、意訳すれば「1000元級ゲーム向けビデオカードの比較」ということで、これが今号におけるプッシュする記事なわけだ。

 実際記事を読むと、GeForce 8800GTや9600GT、それにRadeon3850や3870が載ったビデオカードのベンチマーク記事となっていた。「1000元級」とあったが、下は999元から上は1599元まであった。1元を15円とすると、15,000円~24,000円までの製品を紹介しているわけだ。それらビデオカードがどの程度のポジションなのかは「アキバで恥をかかないための最新パーツ事情【VGA編】」で。

 ところで、中国人の所得は高くはない。以下は、中国の学生などの非就業者を含めたインターネット利用者の月収だ。(ソースはCNNICによる2007年のインターネット利用者報告

 インターネット利用者の半数以上が月収2000元(3万円)以下なんですな。すると、半数以上のインターネット利用者からみれば、電脳報のベンチマーク特集記事で売られているビデオカードは、月収の半分、下手すれば月収以上するわけですな。

 日本人の感覚で置き換えてみると、たとえば40万円の月収の半分とすれば「20万円のビデオカードのベンチマーク特集」となるわけだ。

 そう考えれば「買える訳ないだろ、この特集のチョイスはおかしい!」と考えたくなるが、実際ビデオカード以上に値段の高いPC本体が結構売れているわけで(最近はノートPCも売れ始めた)、案外この特集のチョイスは、中国の消費者にかなったものといえる。というか雑誌作りのプロが読まないような記事をトップに持ってくるわけがないわけで。

中国パクリゲーム製品についての見解

ちょっと前だが、中国パクリゲーム製品についての見解について、9日付けの夕刊フジに掲載された。

それはZAKZAKでも見れるので、よかったら。割とコンパクトにまとまってますよ。

それと記事上だと、パクリ製品の写真が並ぶ中に筆者の写真もあるけど、それはニセモノじゃないから(笑)

パクって売ったもん勝ち…中国のニセゲー事情
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_04/t2008040910.html

著作権、破られるほうは中国でも結構必死



マンションの敷地内に打たれた「著作権を尊重し、写真は撮るな」の杭
 
 
 
 「中国=コピー天国」とよく言われ、パクるほうばかりにフォーカスがあたるが、実はパクられるほうは結構必死だ。これは中国がWTOに加入し、国際的に脱海賊版の圧力がかかる前からずっとそうだ。

 「店内で/敷地内で写真を撮る」人は、産業スパイという印象がある。産業スパイというとものものしいが、要はライバルの業者が、勉強のためにたとえば店内の商品の陳列や、敷地のデザインなどの写真を撮って、それをまんまパクるということだ。パクったほうは、より安く自分らの店や建物でそれを実施するので、撮られたほうは不利になる。

 東洋人である日本人の外見は、多民族国家の中国の人民から見れば同じに見えるので、店内など撮ってはならぬ場所で写真を撮ったのがばれて、ガードマンや店員に捕まった日には、中国語でこっぴどくしかられる。

 これから北京五輪ということで、北京のいろんなレポが出るだろうが、取材に行く撮影者(北京五輪観戦する人も)は写真が原因で変なトラブルに巻き込まれないよう注意されたし。

中国で先週からWikipediaが見れるようになった


中国から見れないサイトの代表的なものとしてWikipediaがあるが、これが英語版、日本語版とも見れるようになったことが確認できた。

 このタイミングで敢えて、普段のNGサイトを開放する理由が正直よくつかめてない。

 ただしWikipediaで「チベット」と入力しても問題なく結果を表示できるが、「Tibet」ではWikipedia自体へのアクセスが数秒間できなくなる仕掛けとなっている。その辺はきびしい。


4月8日追記:
1.中国大陸からは中国版Wikipediaにはまだページが表示されない。
2.ロイターも同種の記事を掲載した。(ITMedia News)  

中国のPC用語「ランボー」

 上記キャプチャ画面はレノボ中国のもの。中国ではDVD-ROM+CD-RWのいわゆるコンボドライブを「combo」という。が、これはrambo。「レノボが誤植った!」と早合点してはいけない(←実は自分)。DVDスーパーマルチ、ないしはハイパーマルチドライブのことを中国ではramboと呼ぶのだ。

 でもramboとは何ぞやというのが、キャプチャ画面のレノボのスペック紹介を見てもぜんぜん書いてない。要は自分らが知っているから、読む人も知ってて当然だよね、といった感じだ。相手に気を使わない製品づくりが、まだまだ悪い意味で中国らしいんだよなあ。

今日からTD-SCDMA一部でテスト開始…それに、中国人のリップサービス

 今日から、北京、上海、深センなど8都市で中国発の3GことTD-SCDMAの試験サービスがスタートする(オフィシャルサイト)。この試験サービスにあわせ、ケータイもやっているレノボなど4社と、韓国のサムスンにLGの6社が専用端末を販売する。


tdscdma-0804hisense1.jpgtdscdma-0804hisense2.jpg

 多くの中国人がTD-SCDMAを「受け入れる」と答えるか。これはまだ最近のそういった調査結果が見つからないので、なんともいえないのだが、個人的には中国をサポートするという意味合いから「受け入れる」と答える人が結構いるのではないか、と。

 で、そこで出てくるのが、一番上の画像。これ、DVDの後釜で期待されて結局ぜんぜん売れなかったEVDについての読者調査なのだけれども、中国のサイトにおいてHD-DVDがブルーレイとまだ張り合っていたころ、HD-DVDとEVDのどちらを支持するか、という質問を読者にしたところ、9割以上がEVDを支持すると答えたという過去がある。その数字がそのまま売り上げに出るならばもっとEVDが売れてもいいはずなんだが結局売れずじまい。

 またEVDの旗振り役の張宝全氏は以前このニュース記事(中文)にあるとおり「中国においてEVDの勝率は70%」と言い切っている。つまり結果としては30%のほうがきてしまったわけだが。売るほうも買うほうも口が先行した感は否めない。

 なので、あんまりTD-SCDMAが中国ですごそうに報じられても、それを日本人感覚で鵜呑みにすると少々危険ですよ。


 

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山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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