中国リアルIT事情

復活のときまで。(人気エントリーリンク付)

 諸般の事情により、ここでのブログの更新を一時ストップすることになった。

 筆者自身ASCIIに拾われてライターになりはじめたASCII者なので、個人的にはパワーアップして当ブログが再開できればと思っている。

 新ブログはこちら。中国ITライターと名乗ることもあるけど、原点は違ったので原点回帰と新市場開拓を目指し、当ブログが再開できるまで書いていく。ブックマークされている方がいれば、どうぞ、新ブログのほうもよろしくお願いいたします。

 最後にここで書いた約500のエントリーから当ブログで人気だったであろうエントリーをリストアップしていく。ここで復活させてくださいね、アスキーメディアワークスさん。

■「モンハン最新作(MHP3)の中文版のリリースが遅い!」とクラッカーを人肉捜索で晒し刑
■人生リセットなら中国で留学し働け
■中国版ネット右翼こと「糞青」の例
■コンテンツを盗んだら洗脳されたでござるの巻
■『428 ~封鎖された渋谷で~』全文訳される。
■百度よ、これはマズいんじゃないか?
■エジプトでのネット革命をIT屋視点で見て考える
■中国のネットでイケメンすぎるホームレスが話題に
■中国人は日本人を変態というけれど
■日本がダメだから日本人は外に出るんじゃないよ、多分
■僕が中国ライターとして生きていける理由
■Amazon中国が多数の海賊版を販売
■クラスメートの話と中国の現場から考える日本人的幸福
■中国のコンテンツ事情がわかるJETROリンク集(2010年末)

落日の中国電脳街、復活はあるか


 
 
 
 中国の電脳街の閑古鳥の泣きっぷりに磨きがかかっている。平日はおろか休日でも客足は減っている。要因として、オンラインショッピングが普及していること(オンラインショップのほうが安いこと)、都市部でほしい消費者に行き渡っていること、一時期客引きが酷すぎたということが挙げられる。(参考記事 権威失墜する中国のアキバ
 
 さらにこれにダメ押ししてるなーと思ったのが以下のデータ。中関村在線という大手IT系ポータルサイトの製品ジャンル別注目度調査で、「ノートPC」「デスクトップPC」「モニター一体型デスクトップPC」あらゆるジャンルで「レノボ(聯想)無双状態」となっている。IDEAシリーズの製品が功を奏しているのだろうか、昔はもうすこしライバル会社もがんばっていたのだが、向かうところ敵なしという状況だ。
 
 

ノートPC。注目度シェアはレノボ、ASUS、HP、ACER、DELL、神舟の順。
 
 
 

デスクトップPC。同シェアはレノボ、HP、DELL、方正、神舟の順。
 
  
 

デスクトップ一体型PC、同シェアはレノボ、HP、Appleの順。
 
  
 

ネットブックのみ、ASUSのシェアがトップで、以下レノボ、サムスン、ACER、HP。ただしネットブック自身中国人の関心は薄い。
 
 
 
 電脳街のメインは、各PCメーカーの販売代理店だが、ここまでレノボが圧倒的だと、メンツを重視、つまり「どのメーカーのガジェットを持たないと恥ずかしい」という考え方のあるため、電脳街でレノボ以外のメンツにならない製品のメーカーが販売代理店を持つこと自身が意味ないことになる。消費者にメーカーの選択肢を与えていいことではあるが、それがほとんど消費者の為になっていない状況となっているのだ。
 
 

無敵のレノボショップ 
 
 
 
 中国で人気上昇中のノートPC市場に対しては、ゲームや映像・音楽をも楽しめる中国人向けエンタメノート「IDEAシリーズ」と、今もメンツPCとして健在の「ThinkPad」シリーズをリリースするレノボ。(参考記事「中国での人のステータスはガジェットで決まる」)

 先日はThinkPad X1という、またも魅力的な薄型ThinkPad Xが登場したが、これは光学ドライブがないことから中国人向けにウケの悪いモデルであり、世界を対象にした製品だと思っている。電脳街ではPCショップが集まることから何でも売ってそうだが、例えば外付け薄型DVD±Rドライブは、消費者のニーズがないため滅多にみかけない(バッファロー中国はリリースしているが)。
 
 電脳街の目玉のメーカーPCが厳しいため、後は地味なショップブランドPCや、修理屋や中国産インク・トナー店、それに安い海賊版やポータブルプレーヤーやアクセサリ類しか売れなくなる。以前は海賊版ソフトを取り扱っていたショップをときどき取り締まっていたが、最近は電脳街での各ショップの経営の苦しさゆえか、海賊版ソフトの取り締まりはしばらく聞かなくなっている。(先日のBSAの発表によれば、2010年の中国の違法コピー率は78%とのこと)

 
 それにしても客足が遠のく電脳街で、各ショップは地代を払わないといけないわけで、電脳街の縮小は避けられないのではないだろうか。
 
 
 

 
 
 

 
 
 

中国で最も発展している省「広東省」のインターネット統計

 ちょっと前の話だがCNNIC(China Internet Network Information Center)から「広東省互聯網発展状况研究報告」というレポートが出た(なぜか今は元ソースがないのだが)。

5月22日追記。ソースが復活しました。リンクはこちら。

 広東省は香港に隣接し、古くから世界の工場として工業と、ついでに広東料理が発展しているところであり、上海・北京についで特に珠海デルタを中心に裕福な地域である。つまり中国の中でも結構インターネットが普及している地域と予想できる。
 
 実際、広東省は中国全土の先を行く。全省での普及率は55.2%で、広州市限定だと71.1%、深セン市限定だと71.4%、マカオの隣の珠海市限定だと67.7%と、もう日本の地方都市以上に普及していっているといい。中国全土ではインターネット利用者は4億7700万人、総人口に対するネット利用率は35.6%なので、ざっくりいって倍の普及率だ。これを見るに内陸の大都市も将来的に7割くらいの普及率にはなるんじゃないかと思う。
 
 広東省のネット普及の原動力は、農村部の人々もかろうじてネットが利用できそうなほど所得の高さは大きく、また文化的・流行的に内陸よりも先をいっていることが大きい。
 
 

広東省のネット利用者の所得実態。全国平均より高い(1元=12.5~13円くらいで計算)
 
 
 

広東省のネット利用者数の推移。増加に歯止めがかかってきたか。ネット普及率7割くらいが上限だろうか。
 
 
 
 ただ、単純に「広東省のデータが中国全体の未来図」とは断言できない。JETRO発行の「広州スタイル」を例にビジュアルで見ても、なんとなくわかる人がいるかもしれないが、Jetro広州の方と話したときにいわく「広東省は習慣の変化を望まない保守的な土地柄」であるという。(広東省深センは、中国中から労働者が集まる都市なのであの都市だけは全く別物)

 そうした保守的な土地柄だと頭に入れた上で、以下のCNNICのデータを紹介。
 
 

保守的だからだろうか、7割も普及しているのに、40代以上の利用率が全国平均とそう変わらない
(「中年(文革経験世代)以上のネット利用者は全国平均よりも少ない」とか書きましたが嘘です、すみません!)
 
 
 

SNSやオンラインバンキングなどの一部サービスの利用率が全国平均よりも低い
 
 
 
 保守的な土地であることだけが理由ではないかもしれないが、ひとつの理由にはなっていると思う。ここから見えることは、必ずしも所得や先進的都市が国全体の将来を示しているかというとそうでもなくて、基本は同じだけれども若干の土地柄補正も入るということ。こうした調査データを読む際は、調査した土地の土地柄の特徴を念頭においたほうがよいということだろう。

世界にさらに拡大してそうな山寨機

 ノンブランド製品の集積地、広東省深センに少し前に行ったときのこと。

 深センの山寨機市場は相変わらず年々拡大していて、かつ売り場は相変わらず信じがたい混み方(特に携帯電話)をしている。いったい山寨機どれだけニーズがあるんだ。
 
まず読んでほしいのが↓の2009年年末の過去記事。
山寨機の聖地にして世界最大の“電子街”「深セン」
 
 この中の2P目にこのような写真がある。


 
 「外国にノンブランド製品を送り出しているようだ。実際中東系の外国人客も多い」と当時書いた。その認識は今も変わっていない。「山寨機ビルにようこそ」との内容に付加された国旗が意味するものは、その国のお客様はお得意様、というわけだ。もちろん相変わらずガラケー真っ盛りな日本はない。

 それが今年はこうなった。
  

  
 明らかに国旗の数が増えている。
 
 
 

  

  
  
 実際に深センの山寨機市場の中でも、「こんなにあったっけ?」と思うほど、外国語にローカライズした山寨機を販売する海外バイヤー向けショップがあった。あごひげを蓄えたバイヤーさんも多く見かけた。
  
 

 

  
 
 ショップや看板を見る限りはインドを通り越して中東に山寨機が送り出されているようだ。ドバイには山寨機市場があるという話を聞く。まだまだ山寨機の勢いは衰えないようだ。
  
  

深センの比較的静かめの山寨機市場
 
 

ひどいところはこれくらいの混みっぷり

チベットの謎(没ネタ)


 
  
 
※注意>本記事、結論としては「よくわからない」に落ち着きます。
 
 以前チベットをIT視点で旅する記事を執筆するときに、現地の中国人旅行者から入ってきた情報は、「なぜかやたらPCやデジタル機器の故障に遭遇する」というものだった。

 はて、チベットならではの故障とはなんだろう。

 たとえばほこりっぽいが、だったら他の地域、中国にしろインドにしろ東南アジアにしろ中央アジアにしろ、故障が多発してもいいもの。しかしあまり話を聞かない。

 ならは放射能だろうか。中国政府環境保護部は各都市の放射能の測定値を公表しているが、チベット自治区のラサは特別高いことがここからわかる。日本でいうと水戸以北の茨城県程度の放射能だが、福島ないし近隣県でPCやデジカメが壊れているかというとあまりそういう話も聞かず。

 では高度が高いと壊れやすいのではないか、と勝手に予想した上で、東京で最も気軽にいける高い場所の都庁舎展望台と大江戸線六本木駅、さらに国際線航空機の上と、中国のチベット自治区に近い高度4000m近いところでCrystalMarkとかHDBenchとかでベンチマークをとってみた。
  
 

 
 

 
 
 
 …が、結果的にはイマイチ法則性が見つからなかったのだった。

 天空の土地チベットは見えないところも多く、ムーっぽいオチもまぁいいのかなと前向きに解釈してみる。

プロフィール

山谷剛史のプロフィール

山谷剛史
フリーランスライター。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。著書に「新しい中国人」。

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